米津
ここ、座って
○○
え、いいよ笑 自分で乾かすから笑
米津
いいから。
お風呂上がりのわたしを米津が強引に ソファに座らせた。
まだ濡れたままの髪を、優しくタオルで拭いてくれる。
米津
風邪引くから、俺がちゃんと乾かす。
○○
…
ドライヤーのスイッチが入ると、温かい風と一緒に、米津の指が私の髪をとかしていく。くすぐったくて、でも心地いい。
でも、それ以上に米津の距離が近すぎて、まともに呼吸できなかった。
米津
お前、髪、いい匂いすんじゃん
○○
えっ(照)
○○
そうかな?…笑
米津
別に、変な意味じゃねぇよ?
にやっと笑うその顔が、どう考えても ”変な意味”にしか見えなかった。
○○
…ずるい、そういうの…
米津
なにが
○○
…なんでもない
熱い顔を隠すように、私は膝を抱えた。
でも米津はそのまま、髪を乾かしながら、優しく、けれど逃げられない距離で、ずっと私を見ていた。