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主人公に溺愛されるのはヒロインじゃないの!?

第16話 - 第16話

2,711

2025年08月01日

#凛潔

#転生

#盲目

新夜

主

こんにちは！

主

なんと…！

主

ハートが合計2.6万個になりました!!

主

沢山ハートをくださり､ありがとうございます！

主

コメントもありがとうございます！

主

では､本編へどうぞ！

舞踏会会場

•*¨*•.¸¸♬•*¨*•.¸¸♪

↑ダンスを踊っている

潔

（凛様の手って､こんなに大きかったっけ？）

潔

（俺がもたつくたびに止まってくれて）

潔

（ダンスをリードするのも慣れてる感じがするな）

潔

（危うく俺もダンスが上手だったんだって勘違いしそうになる）

•*¨*•.¸¸♬•*¨*•.¸¸♪……

潔

あっ

潔

曲が終わりましたね

潔

（残念だけど､ずっと同じパートナーと踊ることは礼儀作法に反するから…）

潔

ｽｯ（凛と重ねていた手を離す音）

潔

（…でも凛様と踊れて嬉しかったかも）

凛

ｷﾞｭｯ（離れようとする潔の手を握る音）

凛

ｸﾞｲｯ（潔の腰を引き寄せる音）

潔

わっ

凛

まだ足りないな

凛

ｸﾙｯ（潔の手を引いて踊り始める音）

潔

だっ…大公様！

潔

これは礼儀作法に反することです！

潔

同じ人と連続で踊るのは…

凛

礼儀作法なら､さっきダンスを申し込んだ時点で破ってる

潔

うぅ…////

潔

…みんな見てますよ

凛

…嫌なのか？

凛

もしそうなら今からでもやめよう

潔

…嫌なわけがありません

凛

いい答えだ（微笑）

潔

……（凛を見つめる）

潔

（この世界で「潔」として過ごした半年間はいつも凛様のそばにいた）

潔

（大公邸は､拠り所のない俺にとっては家も同然で）

潔

（凛様はこの場所で唯一､俺を必要としてくれる人だった）

潔

（「世一」になってからは…）

潔

（家族ができれば､この世界での人生は安定すると思ってた）

潔

（だけど現実は､覚えてもいない「世一」がどんな人なのかを把握していきながら）

潔

（その型に自分をはめようとしてるじゃないか）

潔

（凛様のそばにいた時のほうが､ずっと幸せだったのに…）

凛

何を考えているんだ？

潔

あ…

潔

その…

潔

目はもうよく見えますか？

凛

ﾋﾟｸｯ

潔

とっ…特に深い意味はないんですが長い間苦しまれたと聞いたので…

潔

お加減はいかがかと思いまして…

凛

ｼﾞｯ（少し驚いた様子で潔を見つめる音）

凛

ふっ…

凛

もう大丈夫だ

凛

俺はもう何ともないのに､秘書が大騒ぎしてな

凛

目をいきなり光に晒すのは良くないと言って､首都中の医者を呼びつけて…

凛

おかげで三日も寝室から出られなかった

潔

ﾌﾟｯ( *´艸`)

凛

？

凛

何かおかしいか？

潔

大公様が秘書さんの言うことを聞いていると思ったら面白くて…

潔

一度決めたことは必ず決めた通りになさる方なのだと思ったので

潔

二度も俺と踊ったみたいに

凛

それは肯定できないな

凛

秘書の言うことを聞いたのではなく､脅されたんだからな

潔

ええっ！

潔

脅しですか？

凛

捜している人がいるんだ

潔

ﾋﾟﾀｯ

凛

言うことを聞かなければ､その人に会った時に全て話すと言われたんだ

凛

目が治ったばかりなのに出歩いたことを知れば､その人なら間違いなく心配するはずだと

潔

……

潔

じーん…（嬉しがっている音）

潔

（…みんな俺のことなんか､すぐに忘れるだろうと思ってたのに）

潔

（俺を捜してたなんて…）

潔

（まだ俺は凛様にとって､それほどの意味があるのかな？）

•*¨*•.¸¸♬•*¨*•.¸¸♪……

凛

もう二曲目も終わってしまったな

潔

そう…ですね

凛

この際､もっと大々的に過ちを犯してみないか？

潔

…俺はひっそりと暮らしたいです

凛

それはどうだろうな

凛

君は自分のことをまだよく分かっていないようだな

凛

ひっそりと暮らしたいのなら､もう一度踊ろうと誘った時に俺の脛を蹴るべきだっただろう

凛

ｽｯ（手を差し出す音）

潔

…

潔

（今､この手をとれば…）

潔

（もう二度と踊る前には戻れないような予感がする）

潔

ｽｯ（凛の手に自分の手を重ねようとする音）

潔

（それでも…）

皇太子

世一殿！

皇太子

少し私と…

皇太子

ﾀﾀﾀｯ（潔の方へ走って来る音）

潔

（うわっ､皇太子…！）

潔

ｶﾞｼｯ（凛の手を掴む音）

凛

！

潔

こちらへ！

潔

ﾀｯ（凛を引っ張りながら走る音）

皇宮内の廊下

凛

こんなに大胆だとは思わなかったな

凛

こんなところまで連れてくるなんて

潔

ﾊｧﾊｧ

凛

神官としての生活が長かったというから､気が小さいものと思っていたのに

潔

どうしてそれをご存じなのですか？

凛

首都にいて神官世一を知らないわけがないだろう

潔

ｺﾎﾝｯ

潔

…それはもう破門された名です

潔

それより…

潔

捜しているという人は見つかったのですか？

凛

大体は

潔

（大体って…「潔」を？）

潔

（「潔」を捜してたんじゃないのか？）

潔

大公様がこんなに必死に捜している方って､一体どんな方なんですか？

凛

ﾌｯ…

凛

俺と結婚する予定の人だ

潔

そっ…そうなんですね

潔

おめでとうございます…

凛

どうも

潔

ｷﾞｸｼｬｸ（動きがぎこちない音）

潔

あっ…飛び出してきてしまったので､みんな驚いてるでしょうね

潔

お…俺は先に戻りますね!!

凛

世一殿…

潔

では俺はこれで…！

潔

ｼｭ-ﾝｯ（勢いよく走り去る音）

凛

……

皇宮内のベランダ

バタンｯ

潔

（一体どういうことなんだ!?）

潔

（俺と結婚するって？）

潔

（凛様とは何の関係でもなかったのに!?）

潔

（単なるご主人様と執事の関係だったじゃないか）

潔

（まさか､捜してたのは俺じゃなくて朱里なのか？）

潔

そういえば誰を捜しているかは言ってなかった！

潔

（俺がいない間に朱里と出会って恋に落ちた…とはいえ､ダンスを申し込んだ相手は俺だし…）

潔

（それに朱里には皇太子がいるじゃないか）

潔

（…というか､どうして俺にダンスを申し込んだんだ？）

潔

ﾄﾞｸﾝﾄﾞｸﾝ

潔

（踊り続けようとしたこともそうだし…）

潔

（一体どうして？）

潔

ﾄﾞｸﾝﾄﾞｸﾝ…

ギィィ

???

潔さん

潔

ｸﾙｯ（振り返る音）

朱里

ちょっといいかしら？

朱里

私に言わなきゃいけないことがあるんじゃない？

潔

え…？

朱里

いえ､世一さんと呼ぶべきかしら？

潔

朱里嬢…！

潔

…嘘をついていたことは､ごめんなさい

朱里

全部､嘘だったのね

朱里

どうしてあんな嘘を…

潔

悪気があったわけじゃないんです

潔

信じられないかもしれませんが､俺は記憶を失っています

潔

何の記憶もなく潔として過ごしていた時に

潔

あなたに関する記憶が蘇ったので会いに行ったんです

朱里

それなら今もまだ…

朱里

世一としての記憶は完全ではないのですか？

潔

…はい

朱里

（嘘をついているようには見えない…）

朱里

（だとしたら､あの時の預言は神官世一が神から受けた本物のお告げということよね？）

朱里

（じゃあ私の運命の男性は本当に…！）

朱里

あの時､世一さんは私が運命の分かれ道にいて

朱里

後悔することになるかもしれないと言ったでしょう

朱里

正直言うと私はあなたの言葉を信じてはいませんでした

朱里

あの方にお会いするまでは

潔

え…？

朱里

今日あなたが一緒に踊った､糸師凛大公のことです

朱里

あの方がカフェ・ディナールで私を危機から救ってくださったんです

朱里

その時…

朱里

これが運命であることに気付きました

朱里

だからずっとあなたに会いたかったんです

朱里

私に運命を取り戻すチャンスは訪れますか？

朱里

お願いです

朱里

どうすれば､またやり直すことができるか教えてください

潔

ご…ご安心ください

潔

朱里嬢

朱里

ﾊﾟｧｯ（表情が明るくなる音）

潔

あなたの運命は本来の場所に戻るはずです

朱里

本当ですか？

朱里

よかった…

朱里

ありがとうございます

朱里

その言葉が聞きたかったんです

潔

ﾊﾊ…

潔

とんでもありません

潔

運命がそのように､あなたを導いたのですから

潔公爵家の部屋の前

母

世一

母

少し話しましょう

潔

ごめんなさい…

潔

話なら明日にしませんか

潔

疲れてるんです

母

ちょっと､世一…

バタンｯ

潔の部屋

潔

……

潔

（↑扉にもたれかかる）

潔

ｽﾞﾙｯ（力なく崩れる音）

潔

…（膝を抱える）

潔

ﾂｳｯ…（涙が頬を伝う音）

潔

うぅ…

潔

（どうして涙が出るんだ）

潔

（なんで悲しいんだよ）

潔

ｸﾞｽｯ

潔

（二人が出会えたなら､よかったじゃないか）

潔

ｺﾞｼｺﾞｼ（涙を乱雑に拭う音）

潔

（朱里に会う前までは､二人はもう出会っているんじゃないかと思ってたくせに）

潔

（本当に凛様は朱里のことを捜していたんだな）

潔

（…誰も原作には敵わないんだ）

潔

（起こるべきことは結局そのとおりに起こるんだから）

潔

（それなら俺も､もうすぐ琉生に…）

潔

ｷﾞｭｯ（膝を強く抱える音）

潔

（ﾎﾞｿｯ）凛様と踊ってた時は楽しかったのにな…

潔

（目が治った凛様と見つめ合うと､嬉しさで満たされて…）

潔

（ときめいて…）

潔

（初めてのダンスという美しい思い出ができて､胸がいっぱいになった）

潔

（凛様は､朱里に嫉妬させたかっただけだろうけど…）

潔

（もしかしたら俺が「潔」だということに､気づいたんじゃないかと思った…）

潔

（ひょっとしたら捜しているのは､俺のことかもって…）

潔

ﾎﾟﾀﾎﾟﾀ（涙が床に落ちる音）

潔

（凛様の目が治れば､俺は必要とされない存在だということは分かっていたのに）

潔

（そうならないよう､願っていた）

潔

ﾎﾟﾀﾎﾟﾀ…

潔

（俺を必要としてほしかった）

潔

（この慣れない世界で「潔」として生きる理由になってほしかった）

潔

ｽｯ（涙で濡れた顔を両手で覆う音）

潔

何も言わず去った分際で

潔

そんなことを願っていたなんて…

主

ここで終わらせてもらいます

主

あまり今回の話は面白くないと思うので､早めに続きを出します！

主

ちょっと､潔くんが可哀想になってきました…

主

罪悪感がすごいです…

主

あと､次の次くらいに私が一番書きたかった展開を書けそうです!!

主

面白かったら､ハートください！

主