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5 - 守るべき者

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36

2024年06月02日

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Broooock視点 何なんだ?コイツは…。 桐谷要と名乗った彼は一体何者なんだ? 人とはまた違うオーラ。そして確かに向けられた水樹への殺意。

赤城 琉久

僕たちになんか用?

水樹を守るように前に出る。

桐谷 要

君たちは?

質問を質問で返すなよ。 そうは言いつつ、こういうタイプの人…?は質問で返すことがほとんどだ。 そんな生物を幾度となく見てきた。

赤城 琉久

ごめんだけど、君に名乗るほどの名は持ち合わせていないよ。

桐谷 要

ふ〜ん、生意気だね。

にこやかに微笑む姿が逆に恐ろしい。

その微笑みから天使のような面影が覗く。 見た目は何とも神々しい…まるで天使のような生き物なのに。

赤城 琉久

もしかしてだけど、君って…天使?

一瞬だけ、空気が揺らいだ。 気がした。

桐谷 要

…、唯の人間じゃないみたいだね?

僕の方を一瞬睨んで、水樹に目を向けた。

桐谷 要

君…何処かで見たことあるね?何処だったっけなぁ?

う〜ん…。 と、わかりやすく唸っている。

桐谷 要

あぁ!中村水樹…だったっけ?

名前を思い出したのか更に嬉しそうに言う。

中村 水樹

Broooock…、

不安そうな声の水樹は恐怖で埋め尽くされていた。

赤城 琉久

大丈夫、俺が守るから。

すると水樹は安心したような表情で頷いてくれた。

桐谷 要

おっと、怖いね〜?

キラキラと輝く球体を宙に浮ばせる天使。 あの光…なんだか危ない気がする。

赤城 琉久

水樹、俺から絶対に離れるなよ?

中村 水樹

わ、わかった。

僕のパーカーを掴む水樹は、いつもよりも弱々しく見えた。

きんとき視点 どのぐらい経っただろうか。 未だに紫崎と交戦している。

青柳 時

ッ、あっぶない。

紫崎 笑

いつまでも避けてるだけでいいのか?

紫崎の能力は俺の能力との相性がいい。 逆に俺の能力は紫崎の能力との相性が悪い。

とてもじゃないが攻撃出来る隙が見つからない。

避けるだけで手一杯だ。

紫崎 笑

いい加減諦めたら?時だって死にたくないだろ?

青柳 時

そうだね、死にたくはない…。

青柳 時

でも、守らなきゃいけない人たちがいるからさ?

Nakamuであれ、Broooockであれ、こんな所謂人外である俺たちにも優しくしてくれた里の人たちや人里の外れにある神社の神主さん。 沢山の人たちを俺は守らないといけない。 見捨てるわけにはいかないから。

わざと自分の身体に傷をつける。

紫崎 笑

何をする気だ?

青柳 時

血液操作

これは吸血鬼特有の能力だ。

青桜とは違い、俺の意思で動かすことができる。 より的確に狙うことができる。

青柳 時

君のことを殺すつもりも、痛いことをする気もない。

歪な縄状の血液が紫崎に絡まる。

青柳 時

あれ…、抵抗すると思ったんだけどな?

紫崎 笑

抵抗したらもっと縛るだろ?

冷静さは欠かないのか。

だとしても油断は禁物だ。 何たって紫崎の使う闇魔法は殆どが遠距離攻撃だ。

青柳 時

そうだね、…ごめんだけど、暫く眠っててもらうよ?

少し可哀想だが、綺麗な程よく白い肌に傷をつける。 傷、と言っても睡眠薬を打ち込んだだけだけど。

青柳 時

暴力は…あまり好きではないんだ。

青柳 時

おやすみ、

抵抗の意思は見せたものの、呆気なく眠ってしまったようだ。

Broooock視点

赤城 琉久

はぁ、はぁ、

桐谷 要

もう息切れ?

目の前には余裕そうに微笑む天使が。 場所が狭い分、暴れられない。

赤城 琉久

ねぇ、水樹?

赤城 琉久

僕、家ぶっ壊しちゃうかも。

中村 水樹

いいよ、そんなの!

赤城 琉久

じゃあ、遠慮なく!!

僕は猫又。 特有能力は呪いだ。 でも僕にはもう一つ、僕だけのオリジナルがある。

赤城 琉久

焼却弾(バーナーブレット)

太陽を彷彿とさせるような球体が僕の手の中にある。

桐谷 要

ここら一体を消し去る気か?

赤城 琉久

まあ、そんなことするのは昔の僕だよ。

要と名乗った天使も、光が濃縮された球を作り出す。

多分、あんなのに当たったら大怪我どころではすまなくなる。 きっと細胞が崩れてなくなってしまうだろう。 僕でも再生できるか危ういほどだ。

赤城 琉久

ばいばい、天使さん?

桐谷 要

そっちこそ、

僕の手からも、彼の手からも能力が離れていく。

大きな2つの魔力や妖力がぶつかり合う。 上手くいけば力同士がぶつかり合って、相殺させるが…。

万が一を考えて、水樹を庇うように覆い被さる。

大丈夫、僕の守るべき者は水樹だから、もうすぐ、きんときも帰ってくるはずだから。

沢山の眩い光に包まれる。

そして、目を開けると元の面影が殆どなくなった里が目の前にあった。

Nakamu視点 Broooockの温かさを感じる。

赤城 琉久

水樹、大丈夫?

中村 水樹

うん、何とか…。

中村 水樹

えっと、さっきの人は?

桐谷 要

…相殺されたか。

赤城 琉久

まだやるの?

桐谷 要

まあ、任務なんでね。

両方とも睨み合い、いつ攻撃し出すかわからない状態に。

中村 水樹

時、助けて…。

桐谷 要

…笑!?

遠くの空を見つめて、驚きの声を上げたのは要さんだった。

振り返るとそこには、空を楽しそうに飛んでいる時と、時に担がれている笑?と言う人だった。

青柳 時

よっと!遅くなっちゃったね。

にこやかに微笑む時をみて、思わず崩れ落ちてしまった。

青柳 時

あぁっと、だ、大丈夫?

中村 水樹

うん、大丈夫。

嗚咽混じりに答えたからきちんと時が聞き取れているかはわからない。

それでも、安心したように抱きしめてくれる時の背中に腕を回し、俺からも抱きしめる。

俺にも…何か役に立てることはあるだろうか。

守られてばかりじゃ、ダメな気がした。

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