自分
小4の風奈は、オカメインコを迎えることになって…。
自分
桜の花びらが舞う住宅街に、白い洋風の建物が見えてきた。ガレージのような建物の壁に«バードショップピッコリアニマーリ»という看板がある。
風奈
(ここにいるんだ!)
自分
飼いたかったオカメインコにもうすぐ会えると思うと、歩くスピードが速くなる。
自分
半年前、風奈は動画で観たオカメインコに夢中になった。
自分
人の手にすり寄ってなでてもらっている様子に、ほわあと、口が開く。
風奈
かわいいー。あたしもなでなでしたい!
自分
その瞬間から、風奈はお母さん、お父さんにオカメインコを飼いたいとうったえた。
自分
家族会議で飼うことに決まると、お母さんはネットで調べて小鳥専門店に予約した。
風奈のお母さん
このお店はヒナが自分でエサを食べられるようになって、体つきがしっかりしてから販売するんだって。会えるのは先になるけど、安心ね
自分
それから半年ほど待って風奈が小4になったこの春、お店から
自分
という連絡が来たのだ。
自分
店に入ると、小鳥のさえずりに包まれた。
店員
いらっしゃいませー
自分
女の人がにこやかに、あいさつしてくれる。
風奈のお母さん
あの、オカメインコの予約をした田中です
自分
お母さんが名のると、奥にいた男の人が
店員
お待ちしておりました
自分
とうなずいた。
店員
こちらへどうぞ
自分
奥に並ぶケージや観察ケースからひとつをとり出して、カウンターに置く。
自分
風奈が近づくと、ケースの中にいたオカメインコのヒナが顔をあげた。黄色いとさかに、ほっぺたに丸い紅。体全体は白い羽におおわれている。
自分
風奈がのぞきこむと、オカメインコが首を上下にふってさえずりした。
店員
お友だちが来たって思ってるのかもね
自分
お店の人の言葉にうれしくなって、風奈はケースに手を当てた。びくっと、オカメインコが体をひく。
店員
この子はおくびょうな性格みたいなの
自分
お店の人がケースのフタを開けて手を入れると、オカメインコがすっとのった。その手を風奈に近づける。
店員
ひとさし指を、オカメインコのあしの前に出してみて
自分
風奈が右手のひとさし指を出すと、オカメインコがちょこんとのってきた。
風奈
わあ
店員
指で頭かほっぺたをなでてごらん
自分
風奈は言われるとおり、左手のひとさし指でそうっとなでた。オカメインコが気持ちよさそうに目を細める。続いてお母さんも指にのせたあと、お店の人がオカメインコを受けとってケースにもどした。
店員
小鳥は自然界では群れで過ごしているので、そばに多くの小鳥がいると安心します。反対に急に1羽になると不安になるので、話が終わるまでこの子にはいつもの場所にいてもらいましょう
自分
ケースをたなにもどすと、お店の人はプリントを出して飼い方を説明しはじめた。
自分
春は朝晩で気温差があるので、ケージ内の温度は25〜28度を目安に、寒がってないか暑がってないか様子を見て調節する。小鳥は太ると病気になりやすいから、エサの量に気をつける。この子の場合は、獣医さんから
獣医さん
今の体重を維持してね
自分
と言われているので、こまめに体重測定をしながらエサの量を調節する。止まり木はインコの足の大きさに合う太さのものにする……。
自分
お店の人の説明に、お母さんはいちいちうなずいてメモをとっていく。となりで風奈も説明を聞いていたが、だんだんあきてきた。
風奈
(あーあ、もっとインコちゃんをさわりたいなあ)
自分
それから50分ぐらい説明を聞くと、お母さんはテキパキと必要なものを買いたした。
店員
大事に飼ってあげてください
自分
お店の人の言葉に風奈は
風奈
はい!
自分
と力強く返事をして、オカメインコごとケースを受けとった。
自分
家に着いて数時間後、オカメインコは新しいケージに入れられた。そのとき、風奈は手にのせようとしたが、お母さんにとめられた。
風奈のお母さん
小鳥は新しい場所に連れてこられて緊張しているから、しばらくはケージの外から声をかけるだけにしてあげた方がいいんだって
風奈
えー、ちょっとなら、いいでしょ?
風奈のお母さん
環境が変わると体調をくずしやすいんだって。なれるまでそっと見守っとこうね
マッシュ
まだこれは前編なので、後編は今度出します!だから楽しみに待っててください✨(U´Д`)ワンあと、わたしのだしているものは本に書いてあるものです。その本を持っていない人も読めるように出していますので、よろしくお願いします🙇♀️バィバィ