先日、古ぼけた骨董品屋で水晶玉を見つけた。
これが家に置いてあると、 その家の者は幽霊が見えるようになってしまうらしい。
この骨董品屋にはこういった怪しい道具がたくさん置いてあり、ほとんどはデタラメである。
しかし俺は この水晶を使ったイタズラを思いついた。
俺の先輩に、幽霊を全く信じていない人が居る。現在は奥さんと2人で、いわく付きの物件に安い家賃で住んでいるらしい。
その先輩を 水晶を使って脅かしてやろうというイタズラだ。
俺
作戦決行だな、バレたらダメだぞ?
友人
おっけw
水晶を買い、俺は友人と2人で先輩の家を訪ねた。
と言っても玄関から入ったのは俺1人で、 友人は幽霊の格好をして裏口から忍び込んだ。
先輩
お前な、そんなデタラメ信じるわけねーだろw
水晶の話をひとしきりするが、先輩は笑っているだけで全く信じない。
すると、裏口の方で「バン!」という大きな音が鳴った。
先輩
うおっ!?
もちろん友人の仕業だ。
先輩も奥さんも、一瞬凍りついた。 場がシーンとなる。
奥さん
ヒッ!
奥さんが廊下の方を見て、小さな悲鳴を上げた。
全員が廊下に注目し、しばらくすると 柱の影から徐々に白い手が伸びてくる……なかなかリアルで ゾッとした。先輩もガクガク震えている。
俺
もういいぞ!
友人
ドッキリ大成功〜
柱の影から 幽霊の格好をした友人がヒョコっと出てきた。
先輩
お前ら!
先輩には本気で怒られたが ドッキリ大成功である。 まだ震えてる奥さんには申し訳ないけど、 先輩の怖がってる姿が見られて愉快だった。







