父親を殴った
灰谷 蘭
竜胆!やめろ!
なんて言う兄ちゃんの声を無視して
「殺してやる」
その一心で
結果はダメだった。
やり返され
顔は血だらけ
見るに堪えない姿になった
兄ちゃんは泣きながら抵抗していた
"やめて、やるなら俺を……"
"りんどう……"
心細い声で
いつも自信満々でかっこいい兄ちゃんが
少しして両親が仕事へ向かった
灰谷 蘭
竜胆!!
灰谷 蘭
竜胆!
兄ちゃんは必死に俺の名前を呼び掛ける
灰谷竜胆
にいちゃ、
灰谷竜胆
よかった……
俺はそこで眠ってしまった
目が覚める
灰谷 蘭
あ、竜胆
灰谷 蘭
大丈夫?
灰谷竜胆
兄ちゃん……
灰谷 蘭
ごめ……いや
灰谷 蘭
ありがとう
兄ちゃんは俺の頭を優しく撫でて
"ありがとう"
と笑顔で言ってくれた。
灰谷 蘭
なぁ竜胆
灰谷竜胆
なぁに兄ちゃん?
灰谷 蘭
竜胆と兄ちゃんは
灰谷 蘭
ずっと一緒だよ
灰谷竜胆
……
灰谷竜胆
……笑
灰谷 蘭
何笑ってんだよ!
灰谷竜胆
当たり前でしょ
灰谷竜胆
産まれた時から俺はずっと兄ちゃんと一緒に居るつもりだし
兄ちゃんは少し照れたように
灰谷 蘭
はぁ!?俺もだし
灰谷竜胆
えへへ///
灰谷 蘭
……///
俺達はずっと一緒