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そろそろお互いの気持ちも分かってきましたね
りょうの親たちの勧めで私とりょうは 2人きりで年を越すことになった
その日は夕方頃に家を出た
りょう
みらい
そんな会話を交わしながら白い息は空へ消えていく
りょう
みらい
りょう
みらい
私はりょうの手を強く引いて走り出した
どうしても
りょうと見たい景色があった
あの日見た夕日だ
りょう
みらい
みらい
りょう
みらい
りょう
みらい
りょう
りょう
みらい
みらい
りょう
みらい
りょう
みらい
りょう
りょう
みらい
私の頭の上にあたたかい感触が触れた
りょうの手だ
大きくてガッチリとした、でも柔らかい そんな手で撫でられた
優しく、割れ物を触れるような手で撫でられた
みらい
りょう
りょう
みらい
りょうの目はどこか寂しげだった
神社に着く頃にはもう既に太陽は沈みきっていた
みらい
りょう
りょう
みらい
甘酒を飲みながら人集りの少ない 茂みの辺りで腰を下ろした
みらい
りょう
みらい
りょう
みらい
りょう
子供のようにはしゃぐ私をお父さんのような 暖かさでりょうは包み込む
幸せだ
本当に
りょうと出会ってから何回幸せだ、と実感しただろう
このまま続いていけばいいのに
この時間がずっと
続けばいいのに…
りょう
みらい
りょう
みらいの手元のおみくじを覗き込んだ
りょう
みらい
りょう
みらい
みらい
子供のように拗ねるみらいはとても可愛かった
でもそれは
大事な話をみらいに打ち明ける勇気を無くしていった
りょう
りょう
みらい
みらい
りょう
りょう
みらい
寒いのも忘れてしまうくらいに
隣にいるみらいの暖かさは
心地よかった
しばらくの時間がたち、 年越しまでのカウントダウンが始まった
みらい
りょう
りょう
みらい
大勢の人のカウントダウンの声で
俺の声はきっとかき消されている
でも
りょう
はっきりと言った
みらいにだけに聞こえる声で強くはっきりと
みらい
3!
2!
りょう
みらい
1!!
りょう
みらい
みらい
みらい
りょう
みらい
りょう
みらい
りょう
みらい
みらい
りょう
みらい
隣で手を合わせて目を瞑り何かを願うみらい
目を閉じる前にほんの少しだけ見つめた
目を瞑っているみらいはその長いまつ毛が邪魔になるのではないかというくらいに目立っていた
俺も目を瞑った
そこで願った
みらいと
一緒にいたい
離れたくない
みらい
りょう
りょう
みらい
俺はみらいの手を引いて歩いた
はぐれないように
人混みにみらいが流されてしまわないように
しっかりと、握った
みらい
人混みから少し外れたとこで話し始めた
りょう
りょう
みらい
なおこ
シュウ
りょう
みらい
なおこ
りょう
シュウ
シュウ
シュウ
なおこ
シュウ
なおこ
みらい
シュウは力強くみらいを引っ張った
シュウ
みらい
無意識に
本当に
無意識だった
シュウが暴力的な発言をみらいに投げかける反動で
俺は衝動的にシュウというやつの胸ぐらを
強く、掴んでいた
みらい
シュウ
りょう
りょう
りょう
なおこ
気付くと周りの人もざわめいていた
シュウ
シュウ
なおこ
なおこ
なおこ
りょう
俺は叫んでいた
「死ぬ」なんて言葉を軽々しくみらいに言うな
もう言わないでくれ
言わないであげてくれ、
なおこ
みらい
りょう
りょう
シュウ
りょう
りょう
りょう
りょう
りょう
シュウ
シュウ
なおこ
りょう
みらい
みらい
みらい
りょう
涙が
溢れていた
りょう
りょう
みらい
みらい
みらい
りょう
言おうと思っていた
けど
もし、
もっとみらいを苦しませてしまうなら
そう考えると
躊躇してしまう
みらい
りょう
みらいは何かを悟ったような顔をしていた
みらい
りょう
りょう
みらい
りょう
りょう
みらい
りょう
みらい
りょう
りょう
みらい
りょう
りょう
りょう
りょう
りょう
みらい
りょう
みらい
みらい
りょう
りょう
さらりと言うつもりだったが思ったより か細く震えてしまった
みらい
りょう
俺を優しく抱きしめるみらいを離したくなかった
本当は言いたかった
好き、付き合いたい、
ちゃんと言いたかった
でも、残りわずか、
距離が離れてしまうくらいなら
このままでいて、またいつか会えたらいいね
そうやって言える関係性になりたかった
だから俺は
言わなかった
…言えなかった
みらい
私たちはきっとお互いの気持ちが分かったと思う
りょう
りょう
みらい
お互い…好きだってこと
この特別な感情の名前は
恋なんだって
りょう
みらい
りょう
りょう
みらい
みらい
りょう
りょう
みらい
りょう
りょう
みらい
りょう
りょう
りょう
みらい
りょう
りょう
りょう
みらい
みらい
もっとハッキリと言いたい
でも
言ってしまえば確実にそれは
関係性が変わってしまう
だめ、、言ってはダメだ
りょう
みらい
りょう
そういうとりょうは私の手を取った
りょうの黒いダウンのポケットの中に入れた
熱いくらいに心地よかった
きっとりょうは聞こえてたかもしれない
でも、分かっているんだ
りょうも、分かっているから
聞こえないふりをした
お互い自分の気持ちに蓋をした
離れる時に余計と辛くならないように
この恋に蓋をしている