あの日からおかしかった
今まで仲良くしてきた子が嘘みたいに
毛皮らしい目で見てくるから
もしかして…
と思ったけど
誰も居なかったし、無視する理由には
ならないから違う
そうやって探っているうちに
陰口を言われるようになったり
教科書に落書きされたり
ネットに悪口を書かれたり
イジメられるようになった
と思う
「 いじめられてんの? 」
お兄ちゃんにはお見通しだったのかな
動揺した割にはそんなことしか考えなかった
『 多分…?笑 』
「…」
何かを考えてるように見える
お兄ちゃんってこんな顔できたんだ
こんな状況でしょうもないことを考えられる
私が誇らしい
「 するぞ… 」
何?聞こえないってば
「 て…こうするぞ 」
だから聞こえないって
「 転校するぞ!!」
大声が聞こえた
生徒が集まっていく中
俺は逆の方へと足を進める
だって
俺は見てたから
盗み聞きなんてしょうもないよな
・俺を振った奴が転校する・
ただそれだけなのに
さっさと忘れたい
俺のせいで…俺のせいで…
悩まなきゃいけなかった原因の彼奴が
転校するという俺にとってのチャンスを
見逃すな
さっさと忘れるんだ
気付くと隣には青根がいた
俺より頭1つ分背が高い青根は
何かを真剣そうに考えていた
俺のつむじを見て何を考えてるのだろうか
まぁ、どうでもいいけど
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