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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

新シリーズ突入です!

こちらはゆじゅ🍼様のリクエスト作品となります。

これまでと変わらず、たくさんの方に愛していただけると嬉しいです❤️

それでは最初に夢主ちゃん紹介☆

佐野優姫(16) ・一言で表すと天然 ・髪は生まれつき茶色に近いピンク色 ・瞳は淡いブルー ・非常に思いやりのある性格

です!

少し早いですが、

〜さっそく本編をご覧ください〜

いつにも増して冷たい風。

どことなく降る儚い雪。

私は今日、告白をする。

佐野優姫(ゆうき)

.................

佐野優姫(ゆうき)

.........あのっ

佐野優姫(ゆうき)

今日は来てくれてありがとう...

颯斗(はやと)

あ〜...うん

颯斗(はやと)

用件って....なに?

佐野優姫(ゆうき)

(ど、どうしよう...)

佐野優姫(ゆうき)

(あんなに練習したのに...何も覚えてない!....)

佐野優姫(ゆうき)

.....私、ずっと前から

佐野優姫(ゆうき)

颯斗くんが好きでした

佐野優姫(ゆうき)

(い、言えた.....!)

佐野優姫(ゆうき)

....良かったら私と、付き合ってください

颯斗(はやと)

.................

返事を待つ数秒は、やけに長く感じられた。

沈黙が、私の自信を削ぎ落とす。

颯斗(はやと)

......おいおい

颯斗(はやと)

用件って告白のことかよ

佐野優姫(ゆうき)

............へ...?

颯斗(はやと)

俺さ、彼女いるの知らなかった?

佐野優姫(ゆうき)

...えっ、あ.....

佐野優姫(ゆうき)

知り、ませんでした....

佐野優姫(ゆうき)

(彼女...いるなんて知らなかった....)

咄嗟のことに頭が混乱する。

颯斗(はやと)

.....だから

颯斗(はやと)

迷惑なんだよ、こういうの

佐野優姫(ゆうき)

............え

驚きと悲しみと失望。

色々な感情が入り混じって、パンクしそうだった。

佐野優姫(ゆうき)

(........迷...惑)

何より、好きだった彼にきっぱりと迷惑だと告げられたのだ。

私の心に大きな穴を開けられたような気がする。

佐野優姫(ゆうき)

(颯斗くんが....そんなこと言うなんて....)

颯斗(はやと)

なにぼーっと突っ立ってんの?

颯斗(はやと)

彼女に誤解されたら面倒なの俺なんだけど

はははっ....ドジだなあ、優姫は。

大丈夫!?俺が先生呼んでくるよ

優姫は可愛いなー

佐野優姫(ゆうき)

.................

彼がかけたくれた言葉が流れてくる。

あの瞬間、一つ一つが幻だったのではないかと思う。

佐野優姫(ゆうき)

....ご、ごめんなさい

佐野優姫(ゆうき)

私....知らなくて

颯斗(はやと)

「知らなくて」じゃねーし

颯斗(はやと)

.....はぁ

颯斗(はやと)

お前みたいなドジっ子に好かれる俺の気にもなれよ

佐野優姫(ゆうき)

...........!!

悲しみよりも怒りだった。

大好きだった。でも

もう違う。

大嫌い。

こんな人、初めから好きにならなければよかった。

颯斗(はやと)

なんでなにも言わねーんだよ

颯斗(はやと)

....気持ち悪

佐野優姫(ゆうき)

..................

彼はそう吐き捨てると、

私を取り残して屋上を後にした。

雪はすっかり止んで、寒さも緩和した。

学校の帰り道、どんよりとした気持ちは晴れないまま。

ウタ

...で、優姫

ウタ

どうだったの〜?

佐野優姫(ゆうき)

え、なにが.....?

ウタ

決まってんでしょー

ウタ

告白よ、告白!

彼女は親友のウタ。

とても明るくて行動力があって、私の憧れだ。

告白のことは事前に伝えていて、

とても期待されている...

佐野優姫(ゆうき)

................あー...

佐野優姫(ゆうき)

.....振られた....かな

ウタ

........そっかー....

ウタ

なんか、寂しそうじゃん

佐野優姫(ゆうき)

えっ.......まぁ....

佐野優姫(ゆうき)

................

佐野優姫(ゆうき)

(.....ウタになら、話していいかも)

心の奥底に眠るどうしようもないこの気持ちを

本当は誰かに打ち明けたかった。

佐野優姫(ゆうき)

.............ってことがあったんだ

ウタ

.............

佐野優姫(ゆうき)

......ウタ?

ウタは俯いていて、肩を少々震わせている。

ウタ

......なにそれ

ウタ

最っ低じゃんっ!

佐野優姫(ゆうき)

........え

ウタ

優姫が頑張って告白したのに

ウタ

あいつはそれを踏みにじったんだよ

佐野優姫(ゆうき)

.....迷惑だったんなら、仕方ないよ....

ウタ

はぁ!?

ウタ

仕方ないわけないでしょ!

ウタ

人の気持ちを踏みにじる理由なんて

ウタ

この世に一個たりともない!

佐野優姫(ゆうき)

...............!

瞬間、目の淵が熱くなって

頰に何かが伝った。

佐野優姫(ゆうき)

......う....うぅっ

ウタ

!...優姫

ギュッ

ウタが抱きしめてくれた。

ウタ

....大丈夫よ

ウタ

あんな奴の言葉なんて真に受けちゃダメ

佐野優姫(ゆうき)

....うぅっ...ウタぁー泣

ウタは強くて優しくて、かっこいい。

私も、

ウタみたいに強くなりたい。

帰宅後、ウタからメッセージが届いた。

きっと今日の告白の件だろう。

結局あの後、道の真ん中で子供みたいに泣いてしまった。

それでもウタは嫌がったりせず

私を慰めてくれていた。

佐野優姫(ゆうき)

(本当に......)

佐野優姫(ゆうき)

(感謝してもしきれないな....)

いつか恩返しをしたい。

今みたいにクヨクヨせずに、

前を向いて。

現在は昼食の時間。

私はウタに「いつもの場所で」 と約束をして

購買パンを買いに来ていた。

佐野優姫(ゆうき)

(あ〜...結構並んでる)

佐野優姫(ゆうき)

(多分売り切れちゃうかな....)

この購買パンはほっぺが垂れてしまうほど美味しくて大人気なので

一刻も早く並ばないと売り切れてしまうのだ。

“やっぱりゲットできるかも”と淡い期待を膨らませていると、

パンの入った籠の中が見える位置まで進んだ。

佐野優姫(ゆうき)

(1....2...3、4個余ってる)

佐野優姫(ゆうき)

(...私の前に並んでるのは....3人)

佐野優姫(ゆうき)

(やった!ちょうどゲットできる!)

思わずガッツポーズを披露した。

佐野優姫(ゆうき)

(一昨日と昨日、どっちの日も買えなかったから)

佐野優姫(ゆうき)

(ゲットできるのが本当に嬉しい....)

まだかなー。と背伸びをして覗いていると

2人の男子が私の前に入り込んで来た。

佐野優姫(ゆうき)

...........え

佐野優姫(ゆうき)

(なんなのこの人たち....割り込み?)

佐野優姫(ゆうき)

.....あ、あのっ

男1

.......あ?

佐野優姫(ゆうき)

(ひっ!.....)

佐野優姫(ゆうき)

........わ、私が先に並んで...ました

男2

は?

男2

俺らが先に並んでたんだよ

佐野優姫(ゆうき)

(なっ......)

明らかに見え透いた嘘だ。

けれど現場を見ていたのはごく一部の生徒だったらしく、

誰も加勢してくれない。

佐野優姫(ゆうき)

(わ、私のパンが.....)

ガシッ

男1

...な、なんだよ!

男2

おい、てめえ!

男2

何してんだよ、離せ!

...先に並んでたのはこいつだろ

佐野優姫(ゆうき)

(え...........)

妖艶な瞳、

超がつくほど小さい顔、

凹凸のカケラもない綺麗な肌、

息を呑むほど美しい人が、

割り込みをしてきた人たち(男1)の胸ぐらを掴んだ。

周りの奴らは見てなくても

これにはきっちり写ってるぜ?

男1

...なっ!

男1

ふざけた真似してんじゃねえ!

見せつけられたのは彼のスマホ。

割り込みをしている時の映像がきっちり撮影されている。

男2

お、おい...

男2

もう行こうぜ...!

男1

チッ

男1

お、覚えてろよ!

周囲からの視線に耐えきれなくなったのか、

彼らは早足でその場を去った。

..........

佐野優姫(ゆうき)

(あっ、行っちゃう....!)

助けてくれた彼は、何も言わずにどこかへ向かってしまった。

佐野優姫(ゆうき)

すみません、パン一つと

佐野優姫(ゆうき)

....えーっと.....

佐野優姫(ゆうき)

(あの人はなにが好きなんだろ....)

佐野優姫(ゆうき)

........いちごミルクください

私はパンと120円のいちごミルクを購入し、彼を探した。

彼が歩いて行った方を走って追いかける。

佐野優姫(ゆうき)

(あっ!いた.......!)

佐野優姫(ゆうき)

....あのっ!

.............

私の恩人(?)は足の歩みを止めない。

佐野優姫(ゆうき)

ま、待ってくださ....

...おーい

...お、サボか

サボ

ったく...お前また問題起こしただろ

見ててイラつくんだよ、ああいう奴ら

佐野優姫(ゆうき)

(なっ....!)

佐野優姫(ゆうき)

(イケメンの隣にイケメン!?)

私がポカーンと口と目をガン開きにしていると、

金髪のイケメンの方が振り向いたので、びっくりしてすぐに慌てて表情を戻した。

サボ

あ...悪い

サボ

こいつになんか用だった?

佐野優姫(ゆうき)

あ.....

佐野優姫(ゆうき)

さっき、助けていただいたので

「これを」と言いながらいちごミルクを差し出した。

....礼なんていらねーよ

佐野優姫(ゆうき)

あっ!ちょっと待ってください...!

佐野優姫(ゆうき)

....名前だけでも.....!

............!

早足で歩いて行った彼は、急にピタリと足を止めた。

佐野優姫(ゆうき)

(え、なになに...!?逆に怖い...)

お前....俺の名前知らねぇのか?

佐野優姫(ゆうき)

.......え.....っと?

佐野優姫(ゆうき)

知りません.....

佐野優姫(ゆうき)

(どこかで会ったことあるっけ....?)

...まあ、どーでもいい

それ貸せ

佐野優姫(ゆうき)

...あっ、はい!

ポイッと彼にいちごミルクを預けた。

軽々と受け取るその仕草がたまらなくかっこいい。

エース

...ポートガス・D・エース

エース

俺の名前

佐野優姫(ゆうき)

............え

エース

行くぞ、サボ

サボ

.....はいはい

それだけ言うと、2人はまた歩き出した。

佐野優姫(ゆうき)

(エースさん....か)

佐野優姫(ゆうき)

(名前教えてもらって...ちょっと嬉しいなんて思ったり....)

なんだか認められた気がして嬉しい。

そう思った矢先思い出した。

私、

自分の名前伝えてない....

I vow undying love to you.

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