楓弥
もう知らない!
ふみくんのバカ!!
ふみくんのバカ!!
楓弥が泣きながら怒る姿は初めて見た。
悪いのは完全に俺。
俺の連絡ミスで楓弥の手料理を無駄にした。
それだけだったら普段は怒らないんだけど、
楓弥
次こそはちゃんと連絡して下さいね?勿体ないから
史記
…自分が勝手に作ってるだけでしょ
楓弥
……は?
俺の言い方が100%悪かったのは分かってる。
楓弥も今日は午前中仕事で、 大変なのに俺のためにご飯作ってくれて。
作ってもらってるのにそんな言い方はないわって、 言った後で気付いた。
仕事で疲れてるのに、 俺の為に作ってくれた楓弥に対して言う言葉じゃない。
ハッとした時にはもう遅くて、 楓弥の目に涙が張り、唇を噛んでいる。
やばい、ほんとにやらかした。
名前を呼ぶ前に、楓弥はコートとスマホ、財布を持って家を出て行ってしまった。
自分がイライラしてるからって、 何も関係ない楓弥に八つ当たりするなんて最低だ。
連絡し忘れてたことは今日が初めてじゃない。
こういう仕事してれば、 急にご飯を誘われることは多くある。
目上の人が多いから断ることも出来なくて…。
楓弥も理解あるから、いつもは帰ってすぐ謝れば 「しょうがないな」って許してくれるんだけど。
今日の仕事はなんか調子よくいかなくて、 いっぱい失敗してそれで自分にイラついてた。
それをつい楓弥にぶつけてしまった。
史記
楓弥はなんも悪くないのに…
大事な恋人泣かせて、 ほんとに、何やってるんだろ。
ーヴヴッ
聖哉
ふみくん、楓弥が泣きながら来たんですけど、何したんすか?
史記
ごめん、俺が泣かせた。
史記
楓弥は悪くないのに、八つ当たりちゃって。
聖哉
そうなんすね、
聖哉
今日は楓弥家泊まらすんで、
明日謝ってくださいね?
明日謝ってくださいね?
史記
ほんとごめん、ありがと
明日はダンエビの収録だっけ。
絶対謝る。楽屋に来た瞬間謝ろう。