こえ
扉の前に立ち尽くす自分に、嫌気が差す。
動こうとしてもその一歩が踏み出せない
震える手をドアの取手に掛ける。
けど全く。微動だにもしない
ドアの先からは、賑やかな声が聞こえてくる
僕にとっては苦痛でしか無かった
急に肩に重みが乗っかった気がした。
見ると同じクラスの人だった
多分僕の事は覚えてない
こえ
不安と恐怖が集う中、時は進んでいく。
この世界は僕の事を待ってくれたりはしない
だから、自分から進むしか無い
自分がまだこの世界に追いついてないだけだから。
こえ
自分が迷ってる間に学校のチャイムが耳に響いた
そこには、何にも出来ない自分がいた
急がないと…ッ
早く…教室…入んないとッ…
鼓動が耳の中にまで響く。
焦る気待ちだけが加速するだけで何も変わらない。
こえ
で、でも…折角ここまで頑張って…
ここで終わらせたくない…
こえ
思い切ってドアを開けてみた。
こえ
僕が教室に入った瞬間
クラス全員が驚いた表情でこちらを見てきた
多分みんな、僕なんて戻ってくるとは思ってなかったのだろう
僕は小走りで自分の机へ移動した
教師
担任の先生は何事も無くホームルームを始めていった
僕はただの"空気"としか思われてないのか。
机にはまだ、彫刻刀で彫られた後が残っていた。
まだ、完全には終わっていないと錯覚した。
こえ
久しぶりの音楽室に行ったが、れるちは居なかった
今日は予定とかあったのかな…
そんな軽い気持ちで流して、教室へ戻る事にした
ガラガラ
ドアの開く音だった。
こえ
こえ
瞬発的に返事を返してしまった
本当はあまり知らない人。
でもれるちと仲が良い事は知ってた
たまに音楽室にも居たから。
こえ
咄嗟に気になった事などで、聞いてみてしまった
その後、後悔した。
やっぱ…失礼だったかな…、
相手の人は、少し間を置いて____
……倒れて、救急車に運ばれたよ…ッ
コメント
2件
Coe.さんショックだろうな… 今回も良きだった👍🏻 ̖́-︎ 続き楽しみ✨