朝霧封和
あ、日向くんおはよう
日向翔陽
すんませんした!!!
翌日の朝。
普段通り登校すると、
日向くんが土下座する勢いで 頭を下げてきた。
朝霧封和
いやいや、こちらこそ頭突きしちゃってごめんね
朝霧封和
おでこ大丈夫?
日向翔陽
全然大丈夫!
朝霧封和
なら良かったよ
朝霧封和
いくら頭にきても手を出したら負けだからね
日向翔陽
うす…
しょぼ…と縮まる日向くんに、 私は軽く肩を叩いた。
朝霧封和
怪我したら大好きなバレーも出来ないんだからさ
日向翔陽
!、そうだよな!
少し元気になったのか、 日向くんはそう笑った。
影山飛雄
あのっ
朝霧封和
あ、影山くん
その日の帰り道。
夏休みも近いという事で 午前中に授業も終わって、
校門を出たところで 影山くんに声を掛けられた。
影山飛雄
昨日は…すみませんでした
朝霧封和
ははっ、さっき日向くんにも言われたよ
朝霧封和
とりあえず大きな怪我がなくて良かったね
と、目線を下に向けると 影山くんは紙を握っていた。
朝霧封和
それ何持ってるの?
影山飛雄
あぁ、これから行こうと思って
見せてくれたのは、
「ちびっこバレーボール教室」 と書かれた紙だった。
朝霧封和
影山くんが?
朝霧封和
子供達が怖がらないと良いけど 笑
影山飛雄
怖がる…?
朝霧封和
今すごい眉間に皺を寄ってるよ
影山くんが驚いたように 眉の間を揉む。
朝霧封和
それってどこでやるの?
影山飛雄
?、公民館
朝霧封和
( 公民館か… )
色んな年代の色んな人が 集まる公民館は、
学校や病院程ではないけど それなりに呪いもいる。
朝霧封和
私も着いて行っていい?
朝霧封和
私、子供好きなんだよね
私はそうニコリと微笑んで 言って見せた。