ミャー…
猫が弱々しくウミの足元で鳴く。
ウミ
訳ありって意味だ。
でもお前には幸せになって貰いてぇな。
ウミが切なそうな微笑みをイシュに向ける。
キッド
ウミのその顔を見て、キッドがウミの隣にしゃがむ。
ウミ
ウミは視線に気づき、横目でキッドを見る。
キッド
ウミ
イシュがウミの足に擦り付く。
ウミ
待てよ?
ウミは能力で水の猫を作る。
イシュは嬉しそうに水の猫とじゃれ合う。
ウミ
ウミは普段の豪快な笑い方ではなく、 柔らかく優しそうに微笑んでいる。
キッド
キッドがウミのその笑顔に目を奪われ、頬を赤らめる。
キラー
キラーがキッドの表情を見て驚く。
ウミ
ウミがイシュに無理やり作った笑顔を向ける。
キッド
てめぇには兄貴が居んだろうが
ウミ
キッド
目を背けながら言う。
ウミ
ウミが小さく微笑む。
キッド
少し頬を染めたキッドが大声で言う。
キッド
キラーと歩き出す。
ウミ
ウミがニカッと笑う。
キッド
ウミ
今の言葉返せよな!
キッド
ウミ
ウミと別れたキッドとキラー
キラー
キッド
キラー
しかもお前があんな事言うなんて。
キッド
キラー
キッド
キラー
キッド
キッドが顔を赤らめながら怒鳴る。
宴が始まった
ルフィ
ウミ
『ギャハハハハ!』
ナミ
ロビン
宴が盛り上がり始め、中盤に差し掛かった頃。
ウルフ
ウルフの息子
ウルフ
ウルフの息子
『お、お頭、あれ』
ウルフ
部下達が指す方向を見るとある物に気づいた。
ウルフ
ニヤッと不吉な笑みを浮かべる。
ウルフ達は物陰に潜んでいる。
ウルフ
ウミ、こっちだ。)
ウルフの目に映ったのはウミだった。
ウミ
ウミは視線を感じ、その方向へ視線をやる。
ウルフと目が合い、ウミが震えている。
ウルフ
ウルフが不吉な笑みを浮かべている。
ウルフは物陰からウミに『来い』と告げる。
ウミは立ち上がる。
ルフィ
ウミ
ちょっとトイレにな。
ウミは作り笑顔でルフィに答える。
ルフィ
ウミ
ルフィ
ウミはルフィ達と分かれ、ウルフの指示通り、後をつけていく。
着いて行くと、そこは波の音が綺麗に聞こえる丘だった。
ウルフ
俺に逆らったらどうなるって言った?
ウミ
ウルフ
ウミ
ウミは悔しそうに眉を顰める。
ウルフ
お前は俺から逃げられない。
もう逆らわないことだな、お前の故郷"フーシャ村"をまた、潰されたくなかったらな。
ウミ
ウミが震えている。
ウルフ
場所はこの近くに広い参道がある。
俺たちからまた逃げてみろ。
どうなるかは想像出来るだろう。
ウルフ達は去って行くがウミは震えが止まらずその場に崩れ落ちる。
その頃、ローは。
ナミ
アンタ、ウミの事好きなんですって?
ナミがニヤニヤしながらローに揶揄いながら尋ねる
ウソップ
ウソップもニヤニヤしている
ロー
どいつもこいつも鬱陶しい!
ロビン
チョッパー
ロー
ローが嫌そうな顔をする。
ブルック
ロー
ジンベエ
ロー
自分の気持ちに気がついたのか混乱している。
ロビン
ナミ
ウソップ
トラ男もウミの事好きなんてサボが知ったら…ぎゃぁぁ
チョッパー
ナミとウソップとチョッパーは小声で話している。
ローがウミを目で探す。
見当たらなかったのか、ローは立ち上がる。
ブルック
ロー
ローは歩き出し、ウミを探している。
探し回りやっと見つけ、丘に楽座しながら海を見つめるウミを見つけ、隣に座る。
ウミ
ウミは大人しい声でローに尋ねる。
ロー
ウミ
ロー
ウミ
2人は静かに波の音を聞いている。
ウミがローの居ない方に顔を向け、プルプル震えている。
ロー
お前はなんで苦しい時に我慢してんだ。無理やり笑顔作って…
お前はなんで泣かねぇんだ。
ウミ
ロー
泣きたきゃ、泣けばいい。
慰めて欲しいなら慰めてやるから。
ウミ
ただ、嫌われたく…ねぇ…
面倒臭いって思われたくねぇ…
ウミの目からポロポロと涙が溢れる。
ロー
ローは何も言わず、ウミの隣で星空を見上げている。
少し落ち着いたのか、ウミが歌い出す。
「どうして、あの日遊んだ海の〜匂いは〜 どうして、すぎる季節に消えて〜しまうの〜🎶」
ロー
ローがその歌を聞いて目を見開く。
何故なら、その曲は昔に1度だけ聞いたことがある曲だった。
コラソンと旅をしていた頃、
自分より遥かに幼い少女が歌っていた曲。
その少女がローの初恋の相手だった。