ブラッグ

あれから、数時間後…

柏木は全身、切り傷と血だらけのまま

ベンチに倒れ、しばらく気絶していた

柏木は荒い呼吸を繰り返し、

ハンカチで顔の血を拭い取る

ｻﾞｯ

そこに運良く

ORDER仲間の、瀬賀が現れる

そして、瀬賀は片手間に

ORDER特別:応急サービスを手配する

ｽｯ バッ

柏木はバッと起き上がり、ベンチに座る

ﾄﾞｻ ｯ

瀬賀は、柏木の隣に脚を組み座る

ﾌﾞｫ ｩ ｯ . . . ！！

そうして、二人の目の前に…

応急サービスの巨大トラックが停車する

そして柏木は立ち上がり、

トラックへと乗り込んで行くのだった

そして、数十分後…

『灯りヒーロー事務所』にて

ｷｨｯ…

瀬賀がドアを開け、会議室に入る

そこには…

ｶﾁｶﾁｯ ｶﾁｯ. . .

椅子に座ってノートパソコンをいじる、 ブラッグの姿があった

ｻｯ…

瀬賀も椅子に座り、缶コーヒーを飲む

ｽｽｽーｯ…

ブラッグはパソコンを瀬賀の方へ向ける

ﾊﾞｷﾊﾞｷｯ ﾊﾞﾘｯ. . .！！

瀬賀は飲み干したコーヒー缶を握り潰す

その時

ﾌﾞーｯ ﾌﾞーｯ ﾌﾞーｯ

瀬賀の携帯に、緊急依頼が飛び込んでくる

ﾊﾞｯ

そして瀬賀は、急いで椅子から立ち上がる

ｽﾞｻﾞｯ . . . ！！

瀬賀は急いで会議室を出て、駆け抜ける

渋谷 スクランブル交差点

半径800mを飲み込むほどの時限爆弾が、

各地:5ヶ所に仕掛けられた。

そして、その交差点のど真ん中には

血で染まった刀を持つ、楽之 杭が立ち

周りには、大勢の警察官が倒れていた

ｼｭｯ

その瞬間

瀬賀は背後から現れ、ナイフを振りかざす

ｯチャギィン！！

しかし…

楽之は動じず、瀬賀のナイフを刀で受ける

ｼｭｯ ｸﾙﾙﾙーｯ

ｽﾀｯ

瀬賀は空中で回転し、楽之から距離を取る

ｽーｯ. . .

楽之は目を瞑りながら、刀を拭き始める

ｻｯ. . .

ｼ ｭ ﾎﾞｯ

瀬賀はタバコを咥え、火を付け

煙を吐き、楽之を睨み付ける

そしてさらに、その場に…

ザッ . . . ！！

計50人の 日本正義 が到着

ｼｭ ﾊﾞﾊﾞーｯ！！

ｽﾞｻﾞｯ . . . ！！

そして楽之は刀を素早く回転させ、

51人相手に、目を閉じたまま構えを取る

その瞬間

ﾊﾞｧ ｯ！！

日本正義らは一斉に楽之へと飛びかかる

そして、楽之はその場で一歩も動かず

日本正義らの気配を脳内で研ぎ澄ます

ｻﾗｻﾗｻﾗーｯ. . .

その気で、周りの木々はなびき

ｸﾞﾗ ｸﾞﾗ ｯ. . .！！

ビル群は揺れ

ｸﾞｸﾞｸﾞｯ. . .

ﾊﾟﾘ ｨ ー ﾝ ｯ！！

ガラス状の窓や物は、全て散々になる

ｽｯ . . .

その瞬間

ヒーローの束の中から、

一本の腕が楽之の顔へと伸びる

ｸﾞｸﾞｯ. . .

ｯｯｯパァンッ！！！

楽之はそのままビルへと吹き飛び

ｯドゴォーンッ！！

ｶﾞﾗ ｶﾞﾗ ｶﾞﾗ ーｯ. . .！！

激しく、細々とした瓦礫と砂煙が舞う

ｽｻｯ…

ブラッグは、パーカーの腕を捲り上げる

そして砂煙が晴れ、楽之がゆっくりと迫る

楽之の刀からは、しゅ～…と煙が上がる

ｽﾞｯ　ｻﾞｯ

瀬賀とブラッグは横並びで構えを取る

東京:渋谷 とある大型ショッピングモール

ー2階ー

ポッケに手を突っ込みトコトコと歩く、

青っぽい白髪に、美人かつ美貌の若い女がいた

その名も『赤城 モモ』

そして…

ホワイド一派 最強の幹部である。

ポリポリと頬を掻き、黄色い目を瞑り