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私のお父さんは、何かがおかしい

第3話 - 私のお父さんは、何かがおかしい第3話

804

2021年07月25日

#ホラー

#恐怖

#衝撃のラスト

さいマサ

勇太

スゥーっ

お母さん

あぁ、やっと寝てくれた

お母さん

ウンチした後すぐオムツ変えないと大泣きするんだから

お父さん

でも気持ちよさそうに寝てるな

結子

ホントだね

そう言いながらお父さんの指をチラ見する

結子

（今はまた包帯を巻いてるけど）

結子

（昨日は確かに治ってた）

結子

（こないだ切ったばかりなのに？）

お父さん

勇太、早く大きくなれよ

お母さん

もう、可愛がりすぎよ

お父さん

いや、本当に嬉しいんだよ

お父さん

こうやって息子を抱ける日がくるなんて

お父さんが勇太に頬ずりする

お母さん

大袈裟なんだから

お父さん

こうして結子の父親にもなれて

お父さん

本当に幸せだ

結子

お父さん…

哲平

ゲーセン寄ってこうぜ！

美保

いいけど、結子は？

結子

うん、少しならいいよ

美保

あれからお父さん、おかしなところないの？

結子

それは…

結子

（傷が治ったこと言ったら、また馬鹿にされるかも）

結子

──ないよ

結子

おかしいところなんて何も

美保

あれ、結子のお父さんじゃない？

結子

えっ、どこ？

美保

ほら、あの人

美保が指差す先には──

お父さん

…………

結子

あっ、お父さんだ

哲平

てか、女と歩いてね？

美保

お母さん？じゃないよね…

結子

うん、違う

知らない女と寄り添うようにして歩いている、お父さん

哲平

浮気だ、浮気！

美保

ちょっとやめなよ

哲平

浮気に間違いないな

結子

ち、違うもん

結子

お父さんはそんなことしない！

哲平

男なんて誰でも浮気すんだから

美保

じゃ、哲平もするってことだよね？

哲平

いや、俺はそんなことしない

結子

お父さんだってしない！

哲平

でもほら、見てみろよ

美保

あっ…

お父さんが、女の腰に手を回していた

結子

そんな…

哲平

ほらな、男なんて──

結子

もう黙ってよ！

結子

絶対に違うんだから！

美保

あっ、結子！？

哲平

どこ行くんだよ！

結子

（確かこっちのほうに…？）

結子

（確かめなくちゃ）

結子

（お父さんが浮気なんてしていないってことを）

結子

（絶対に確かめるんだ！）

人気のない神社を探し回る

結子

こっちに来たはずなんだけど…

結子

（でも、なんでこんな誰もいない神社なんかに？）

結子

（誰にも見られないため？）

結子

（本当に浮気じゃないよね？）

結子

ううん、だめ

結子

私がまずお父さんのこと信じなきゃ

結子

あのお父さんが浮気なんて、絶対にするわけが──

ギャアアアアア！

結子

ひ、悲鳴だ！？

結子

この裏から…

結子

ひ、ひとが燃えてる！

結子

さ、さっきお父さんと歩いてた女の人だ！

結子

だ、誰かっ！

私は恐る恐る女に近づいた

結子

──動かない

結子

し、死んでるの？

女の顔を覗いて──…

結子

ひぃっ！

私は慌ててその場から逃げ出した

結子

（う、ウソだっ）

結子

（見間違いじゃないよね？）

結子

でも、なんで！？

結子

なんで──

干からびてたの！？

お父さん

結子、おはよう

結子

──おはよう

お母さん

遅かったわね？

お母さん

朝ごはん早く食べちゃいなさい

結子

あっ、うん

お父さん

どうした？

お父さん

どこか具合でも悪いのか？

お父さんが私の顔を覗き込む

結子

な、なんでもないよ！

結子

ちょっと寝不足で…

お母さん

遅くまでゲームしてるからじゃないの？

結子

うん…

結子

（まさかあの死体が頭から離れないなんて言えない）

結子

（あの干からびた）

結子

（ミイラみたいな死体）

テレビ

それでは次のニュースです！

テレビ

昨日、○○町の神社で焼死体が発見されました！

お母さん

やだ、すぐそこじゃない！

結子

（身元不明の焼死体？）

テレビ

なお、遺体はミイラのように干からびており

テレビ

体内には水分が残っていない状態で発見されました

結子

（これって、あの女の人じゃ？）

結子

（お父さんと歩いていた女の人）

お母さん

なんだか気味が悪いわね

お母さん

防犯ブザーを買わないと

結子

（やっぱり何か関係が──？）

お父さん

早く食べないと遅れるぞ

そう言ってお父さんがテレビを消した

結子

（えっ、まさか）

結子

（見せないために消した？）

お父さん

結子、どうしたんだ？

お父さんが私に微笑みかける

そしてとても優しい笑顔で──

お父さん

この人を知っているのか？

私のお父さんは、何かがおかしい

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さいマサ

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