大学生になり一人暮らしを始めたばかりの頃─────
行きたかった大学に現役合格して浮かれまくってた俺は
それはもうゲーム、アニメ、PCの毎日。
夜明けまで遊び倒すなんていつもの事だった。
ある日、いつもの様にPCの前で夜明けを迎え、何気なしにベランダへ出た。
まだ日も登らない時間帯のひんやりした空気を楽しんでいた。
そのままぼーっとベランダからの光景を眺めていたら、視界の端で何かが動いた気がした。
すぐ手前の俺が住んでるアパートより1ー2階低い社宅に目がいった。
なぜならその屋上にある給水塔の上に何かが居た。
工事かと疑ったがこんな時間にそんなはた迷惑なことはありえない。
眠かった俺は重い瞼を開け、凝らして見て見たら真っ黒い人間としか形容しようのないものが四つん這いで張り付いていた。
昔母とビデオで見た、「マグマ大使」に出てくる「人間もどき」にそっくりだ。
俺の視線に気づいたのかそいつは四つん這いのまま《シャカシャカ》っとありえないスピードで壁をはい降りて俺の視界から消えた。
俺は思考が追いつかなくてポカーンと唖然として突っ立っていたがすぐに言い様のない恐怖に襲われ部屋に転がり込み窓に鍵をかけカーテンを閉めうずくまった。
それ以来、俺は不用意にくらい時間帯にベランダに出たり、窓の外を覗いたりしないようにしている。
今もその恐怖が忘れられない。
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