拓哉
ほら、姉ちゃん!
拓哉
早よ起きて〜や
りおん
ん…
拓哉
ほら!布団剥がすで!
りおん
はいはい、起きればいいんでしょ!
拓哉
なんやねんそれ…!
りおん
…
拓哉
なに?
りおん
いや、着替えるから出て行ってや。
拓哉
ひどっ!なんで俺そんなん言われなあかんねん!
りおん
あーもう、ごめんって!
拓哉
…早よ着替えて出てきや。
俺は拓哉。
姉ちゃんとは2歳差。
拓哉
姉ちゃん?学校行くで!
りおん
自転車後ろ乗って〜
拓哉
今日は俺が前に乗るねん!
りおん
?
拓哉
俺の方が力あるし!
りおん
…そやけど
拓哉
一回試してみよ?
りおん
…うん!
りおん
拓、いつの間にそんな力ついたん?
拓哉
俺もう高1やで?
りおん
…そーやな。
りおん
昔はちっちゃくて可愛かったのに!
拓哉
いまもちっちゃくて可愛いやろ?
拓哉
中学入学とともに、デカかった身長もピタッと止まっちゃったし…。
りおん
りおんと変わらんもんな!
拓哉
変わるし!
拓哉
ほら、着いたで?
りおん
うん、ありがと。
拓哉
自転車俺が止めるからもう行き。
拓哉
俺今日部活ないから早よ帰るから、自転車で帰ってきいよ。
りおん
うん!
拓哉
じゃーね!
りおん
じゃーね!
俺たちが兄妹じゃなかったら
一体何回考えただろうか
どんなに良かったか
なんで?
よりによって兄妹なんだよ…
そんなことを考えながら
教室に向かった。