ザワザワ ザワザワ
ここは教室
このクラスには 個性的な人々が集まっている
ここは例えるならば
「人間図書館」だ
様々なジャンルの本が 集まった図書館のように
このクラスの人々は
全員が’’個性豊か’’なのだ
学級委員のあいつは
「難しい活字ばかりの辞典」
物知りのあいつは
「なんでも大百科」
お調子者のあいつは
「ギャグ漫画」
と言ったところだろうか。
本棚に並べられた本は
読みたい時に読みたい人が
読みたい部分だけ
読むことが出来る
彼らも同じように
自分という本を
宣伝しながら生きているのだ
新学期の時は本当に困った
読んだことの無い
本が並べられた本棚に
囲まれて、ポツンと一人
取り残された気分だった
だけど
どれかひとつ手に取って
読まなければ
クラスに馴染むことが 出来ないと思った
だから俺は恐る恐る
本を手に取るように
話しかけた
すると案の定
どれも皆面白い本ばかりだった
もちろん中には
つまらなかったり、
自分に合わない本もたくさんあった
だけど別にいい。
俺はこう思った。
向き不向きは当たり前
まずは読んでみる
つまり
話しかけてみるという
意欲が1番大事だと。
もちろん読んでいて
飽きてしまうこともあるだろう
そんな時は本に栞を挟むように
少し距離を置けばいい
そしてまた寂しくなって
読みたくなった時
また続きから読めばいいんだ
本当に良い本
つまり本当に良い友達は
ずっと自分を待っててくれる
続きを読みに来るのを
待っていてくれるのだから
だから俺はこのクラスで
たくさんの友達と言う名の
本を読み漁った
もう今ではクラスのほとんどの人と
仲が良くなった
それはすごくいいことだ。
でもふと、思った
俺は色んな人という本から
色んなことを学んだが、
俺は何の本なのだろう
俺のページには 何て書いてあるのだろう
少なくとも学級委員の あいつのような
難しい活字は書いていないだろうし
物知りなあいつのような
大百科でもないだろう
ましてや
お調子者のあいつのような
ギャグ漫画でもないだろう
もしかしたら
俺のページには何も書かれていない
白紙なのかもしれない
俺は人から与えられるだけで
与えることは出来ないのだろうか
いや、そうじゃない。
俺だってきっと
誰かの役に立つ本になれるはずだし
そうなりたい。
たとえ今は何も書かれていない
白紙でも。
俺
俺はこれから色んな人と関わって
色んな人の意見や考え方を学んで
強く印象に残ったことを
ページに書き足して行こう
そしていつの日か
誰かに読まれて
人に影響を与えられる
本になりたい。
いや、なってやる。
物語は始まったばかりだ
今回のお話も見てくれた方 ありがとうございます
少しでも良いと思った方は
「いいね」と「コメント」
そして「フォロー」の方も
よろしくお願いしますm(*_ _)m
それでは
またのお越しを
お待ちしておりますm(*_ _)m
コメント
2件
人を本に例えるのが凄く素敵です!!