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欲に抗えなかったbrさんを見て一応我に返ったけど…smさーーーん!brさん好きって思ってたんだね!!最高だよ! てか経理の女、smさんバカにして「劣等種」とかいってたし…brさんみれんように目ん玉くり抜いて脳みそをグチャッとしちゃえばそのままbrさんみれない&brさんと会話もできない!
見るの遅くなりました!すいません!!全て好きすぎます!心情とか描くの上手ですね!?はやく誤解が解けて欲しいです!経理の女の子の場面見てるとき僕も少しイラッとしました…まぁ人の外側しか見れない可哀想な人と言うことで…続き全裸待機してます!!!
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窓から差し込む光で目を覚ます。
起き上がってスマホを見てみると、画面には6時と表示されていた。
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まだ若干の眠気を感じながら背伸びをしていると、ふと違和感に気がついた。
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本来なら隣で寝ているはずのスマイルさんがいない。
洗面所やトイレからも物音がしない。
どうやら、この部屋にはいないみたいだ。
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そう呟いたと同時に、頭がズキンと痛んだ。
二日酔いの頭痛みたいだ。
ちょうどいい。
スマイルさんを探すついでに水でも買ってこよう。
そう思って、財布を持って部屋を出た。
話し声ひとつ聞こえない静かな旅館の廊下を歩く。
ふと外をみると、中庭に花園が広がっていた。
そういえば、この旅館は中庭の庭園が人気なんだっけ。
縁側のところから外に出る。
花園に咲く色とりどりの花はどれも枯れることなく元気に咲いていて、とても綺麗だった。
スマホで写真でも撮ろうかとポケットに手を伸ばしたとき。
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背後から声をかけられた。
…聞いたことがある声だ。
経理部の女の子
経理部の女の子
後ろを振り返ると、僕と同じ旅館の浴衣を着た女の子が立っていた。
女の子は僕を見て、声を弾ませる。
まさか、ここで会うことになるなんて…
経理部の女の子
経理部の女の子
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想定外の出会いに苦笑いしながらそう答える。
僕の返答は決して愛想がいいとはいえないのに、女の子は折れずに僕に話を振る。
十数分ぐらい経ったとき。
そろそろ、話すのが辛くなってきた。
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女の子にそう告げて、旅館に戻ろうとしたとき。
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女の子に浴衣の裾をギュッと掴まれた。
経理部の女の子
経理部の女の子
上目遣いで、僕を見る。
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…断るなら、今だ。
今断らないと、この先もっと女の子を傷つけてしまうかもしれない。
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僕の言葉を聞くと、女の子はスッと手を離した。
経理部の女の子
経理部の女の子
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僕の返答に女の子は目を伏せ、下に俯く。
互いに無言になり、数秒間ぐらい無言の時間が流れた。
やがて、吐き捨てるように言葉を放った。
経理部の女の子
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女の子の言葉に首を傾げる。
女の子は顔を上げ、僕の方を見た。
経理部の女の子
力強い声が、早朝の庭園に響く。
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経理部の女の子
経理部の女の子
経理部の女の子
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歯切れの悪い僕の返答に、女の子の怒りはヒートアップする。
スマイルさんはただの上司だ。
僕にとってはそれ以上も以下も…
経理部の女の子
経理部の女の子
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女の子の言葉に顔が引き攣る。
何を言ってるんだ、この女は。
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体の底から込み上げる怒りをなんとか抑えながら、スマイルさんを貶す女にそう言い返す。
経理部の女の子
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怒りで声が震える。
意味が分からないことを喚き散らかす目の前の女に、体の底がぼうっと熱くなった。
…これ以上話しても無駄だ。
このままでは怒りが抑えきれなくなると思って、踵を返そうとした瞬間、
女の口から衝撃の言葉が聞こえてきた。
経理部の女の子
経理部の女の子
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なんで…
なんで。
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女の子に問いただす声が震える。
スマイルさんはSubだと知っているのは会社では僕だけだと言っていた。
なのに、なんで、
なんでこの女がスマイルさんのダイナミクスを…
経理部の女の子
経理部の女の子
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…
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経理部の女の子
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経理部の女の子
経理部の女の子
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こめかみのあたりの血管が、ピキッと音を立てる。
経理部の女の子
経理部の女の子
経理部の女の子
なにそれ。
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…
女が放った言葉に、自分でも驚くぐらい低い声が出た。
僕の声に、女はビクリと肩を震わせた。
…今まで、Domとして生きてきたから知らなかった。
Subというだけで、こんなに差別されるなんて。
僕が知らなかっただけで、世の中にはこの女と同じ考えの奴らがたくさんいて、
スマイルさんは…Sub達は…
数えきれないくらい心無い言葉をかけられてきたんだ。
…
br
経理部の女の子
ダイナミクスだけで決めつけて、その人自身のことは知らない。
知ろうともしない。
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Subは劣等種だ、と間違いでしかない言葉でスマイルさんを傷つけてきたコイツらが憎い。
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経理部の女の子
自業自得なのに、女は僕の言葉に被害者のように気づいた顔をする。
僕を引き止める声が聞こえたが、踵を返して旅館に戻った。
…
…
br
旅館の廊下を歩きながら重たい息を吐く。
別に、あの女に言ったことを後悔しているわけではない。
問題はスマイルさんがSubだとバレてしまったことだ。
もしかしたら、あの女以外にも遊園地での会話を聞いていた人がいるかもしれない。
そこまで考えて、ふと足を止めた。
そういえば…スマイルさんを見つけてない…
朝、部屋にいなかったのってもしかして…
スマイルさんをSubだと知る連中に何かされていたら…
背中に嫌な汗が流れる。
気づけば駆け出していた。
スマイルさんと連絡をとるために、とりあえずスマホを取りに帰ろうと部屋に戻る。
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一刻も早く見つけないと…
そう思いながら、部屋のドアを開ける。
sm
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ドアの先にいたのはスマイルさんだった。
此方を見て、驚いたように目を見開いている。
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sm
僕の言葉に、スマイルさんは手に持ったペットボトルを此方に見せる。
なんだ、水を買いに行ってただけなのか…
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安心で足の力が抜けて、床にへにゃへにゃと座り込む。
そんな僕の様子を見たスマイルさんが、心配そうに駆け寄ってきた。
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スマイルさんはそう言ってペットボトルを僕に差し出す。
br
これ、スマイルさんのじゃ…?
sm
sm
br
僕のために…?
…やっぱり、スマイルさんは優しい人だ。
br
蓋を開けて水を口に含むと、さっきまであった焦心も落ち着いてきた。
sm
座り込む僕に、スマイルさんもしゃがんで視線を合わせてくれた。
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まぁ結局は僕の勘違いだったんだけど…
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慌てて否定すると、スマイルさんがふわりと笑った。
その笑顔に、ドクンと心臓が跳ねた。
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sm
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スマイルさんの手が、僕の顔に伸びる。
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これ、まずいかも。
スマイルさんの指が、僕の頬に触れた。
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スマイルさんの声に全身の血が逆流したかのような感覚に襲われる。
なんだ。
この感覚…。
心の底にある鍵を閉めたはずの箱の中身が、外に出ようとする。
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スマイルさんが、心配そうに僕の顔を覗き込む。
うっとりしてしまうほどに綺麗な瞳を見た瞬間。
箱の蓋が音を立てて開いた。
封じ込めていたものが、勢いよく箱の外に飛び出す。
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口から出るのは、欲に濡れた低い声。
僕が出したコマンドに、スマイルさんはぎこちなくkneelの体制になった。
状況がよくわかっていないのか、頭にハテナマークを浮かべながら僕を見る。
立ち上がって、女の子のようにペタンと座るスマイルさんを見下ろす。
sm
不安そうに上目遣いで僕を見上げる瞳。
その瞳をみると、体の底でドス黒い感情が渦巻いた。
『この人が、ほしい。』
sm
首、肩、鎖骨、
スマイルさんの体に、小さな赤を散りばめる。
自分の跡をつけるたび、自分の中のドス黒い感情は更に大きくなった。
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抵抗するように僕の胸板を押し返すスマイルさんにコマンドを出すと、
スマイルさんの体は可哀想なくらいピタリと止まった。
ドサッ
sm
肩を押してスマイルさんを押し倒す。
畳に横になるスマイルさんの体には数えきれないくらいのキスマークが浮かんでいた。
全部、僕がつけたキスマークだ。
痛々しい跡に、自分の中の欲求が満たされていくような感覚がする。
sm
普段なら絶対見せない焦った表情。
その表情をみると、体を渦巻く支配欲が満たされていった。
…
違う。
僕にDomとしての欲求はない。
だって僕は出来損ないのDomで、Subを支配したい欲求なんて…
sm
初めて聞く、スマイルさんの弱々しい声。
sm
この人を…スマイルさんを…
支配したい。
本能が、そう叫んだ。
紫色の瞳に映る僕の顔が歪む。
…
僕のものだって分からせたい。
体の底から湧いてくるこの欲を、支配欲を、満たしたい。
本能のまま、スマイルさんの白く細い首に口を近づけたとき。
sm
叫ぶような声が鼓膜に響いた。
br
スマイルさんの声にハッと我にかえる。
…
あれ…
ぼく、なにして…
スマイルさんの指が僕の顔に触れて…それで…
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乱れた浴衣に、首から鎖骨にかけてつけられた無数のキスマーク。
肩で息をするスマイルさんの顔に流れる涙を見て、
僕は自分が犯した罪の大きさを理解した。
これ、ぜんぶ僕が…?
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慌ててスマイルさんから離れる。
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スマイルさんから苦しそうな嗚咽が聞こえる。
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どうにかしようと、スマイルさんに手を伸ばす。
パシッ
だが伸ばした手はスマイルさんに思いっきり払われた。
行き場を失った手の甲がジンジンと痛む。
sm
br
sm
br
スマイルさんの言葉に頭をガツンと殴られたかのような衝撃が走る。
br
何が違うと言うのだ、
己の欲望のままに襲ったのはお前だろう。
br
こんな状況でも冷静なもう1人の僕の声が、頭の中でこだまする。
br
放心状態の僕の横を、スマイルさんは通る。
br
そう叫んで手を伸ばした頃には、スマイルさんはもう部屋にはいなかった。
ドアが音を立てて閉まる。
嘘みたいに静かな部屋の中に、朝日が差し込む。
早朝の冷たい畳が、床に座り込む僕の体温を奪った。
sm
部屋を出て、行くあてもないのに旅館の中を彷徨う。
…
Broooockに押し倒されて、今まで感じたことがないほどの強い恐怖が俺を襲った。
一言も喋らずに俺を見下ろす青い瞳はDomそのもので
その瞳を前に、体が固まった。
…
怖かった。
押し倒されたときにはグレアを食らって、息ができなくなった。
コマンドとグレアで体がピクリとも動かなくて、叫ぶようにBroooockの名前を呼んだ。
Broooockから逃げるように部屋から出た。
sm
有耶無耶に旅館の中を彷徨っていると中庭に出た。
無数の種類の花が咲く庭園。
膝を抱えるようにして、地面に座る。
静かな庭園は考え事をするにはピッタリだった。
…
…Broooockのことは信頼していた。
俺のダイナミクスを知ってもなお、ダイナミクスではなく『俺自身』のことを見てくれた。
唯一、俺をSubとして見なかったBroooockと一緒にいると心が安らいだ。
楽しかったし、もっと一緒にいたいと思った。
…Broooockは、俺をSubとして見ないと思っていたのに。
この世はダイナミクスが全てだ。
所詮、俺はSubで、Subは劣等種でしかない。
そんなこと分かりきっていたはずなのに、
みんなから蔑まれることなど慣れていたはずなのに、
なのに、なんで…
なんで、こんなに悲しくなるんだ。
…
sm
冷たい風が、中庭を吹き抜ける。
…
俺は、Broooockのことが好きだったのだ。
俺をSubとしてカテゴリーしない、優しく素直な彼が好きだった。
sm
口から乾いた笑いが溢れる。
信頼していたから、好きだったから、
Subとして見られていたという事実が辛いのだ。
4つも年下の部下に身を程を弁えず恋をしてしまったからいけなかった。
Subは劣等種だ。
Domに恋していいはずがない。
sm
ポツポツと、雨が降ってきた。
冷たい水滴が、花にかかる。
…
涙は、出なかった。