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すみれ
母
大震災があった年。当時私は15歳だった。私の住んでいる地域は幸いにも被害が少なくて済んだのだが、母方の実家が半壊の被害を受けた。今日はその実家の片付けを手伝いに行くことになった
母
すみれ
母
母方の実家までは車で1時間程度しか離れていなかったため、実家が半壊だと聞いた時の母の驚きようはすごかった。
母
すみれ
すみれ
そうして、私は車で寝ることにした。
その時、私は夢を見た。 たまにある夢か現実かわからないくらいの、妙にハッキリとした夢だった。
夢の中でも、私は母親の車に揺られて林の中を走っていた。
すみれ
母
すみれ
母
すみれ
母
私の忠告を聞かずにどんどん先へ進む母。とうとう迷ってしまった。
母
すみれ
母
すみれ
母が道を尋ねたのは、作業着姿の中年男性だった。その人は大通りまでの道を教えてくれた。
母
すみれ
…おーい
すみれ
…おーい
すみれ
母
すみれ
母
母
すみれ
私は後ろを振り向いて驚いた。
さっき、道を聞いたおじさんだ
口がさけてるからか表情は笑って見える。目は限界まで開いて、両腕をピンっと上げて、両手首は前に向けていた。
それが走ってこちらに向かっている…
すみれ
母
…つかまえた
すみれ
私は窓を見た
男がサイドミラーを掴んで、車と並走し、私を見ている。
すみれ
もう少しだよ…
…そこで目が覚めた。
母
母がひとり言を言っている。 寝ぼけている私は薄目で時計を見ると、寝てから40分ほど経過していた
母
窓から外を見ると、見慣れない道で、林の中を真っ直ぐに走っていた。
すみれ
母
母が道を聞こうとした人は作業着姿で林の中を歩いている中年男性だった。 私はその男性を見た瞬間に飛び起きて母に言った
すみれ
母
母
母の車は歩いていた男性を追い越した。
すみれ
母
母
すみれ
母
母
すみれ
母
すみれ
母
すみれ
そこから林を抜けるまで生きた心地がしなかった…