しづ
しづ
しづ
しづ
しづ
しづ
しづ
しづ
しづ
別に学校でいじめられてるとか、虐待されてるとか、
そんなんがあったわけじゃない。
ただ、母があまりぼくに関心を持ってくれなかっただけ。
ただ、少し人付き合いに息苦しさを感じていただけ。
たったそれだけなんだ。
たったそれだけだけど、ぼくは弱虫だから。
弱虫なぼくはこの消化のできない孤独感に耐えることができなくて、
生きるのをやめてしまいたいと思った。
多くの人が寝静まる夜中の2時に家を抜け出して近くの海まできた。
死ぬなら海に呑まれたいと思ったから。
広くて深い海原
それに身を投げ入れたら、ぼくの存在全てを無かったことにしてくれそうだから。
ほとけ♀
いふ
ほとけ♀
いふ
ほとけ♀
いふ
ほとけ♀
いふ
いふ
いふ
ほとけ♀
いふ
いふ
ほとけ♀
いふ
ほとけ♀
ほとけ♀
あれから断りきれず、ほぼ引きづられるように連れられてきた。
連れられ入らされた部屋を見て絶句する。
天井に至るまで部屋の隅々がぼくの写真で埋まっていたから。
お風呂やトイレの写真まである。
いふ
ほとけ♀
いふ
ほとけ♀
ほとけ♀
いふ
いふ
いふ
いふ
ほとけ♀
いふ
いふ
いふ
いふ
いふ
いふ
いふ
いふ
あれから何日経ったのかはわからない。
だって、この部屋には外の光が入らないから。
足はこの部屋の柱と鎖で括り付けられていて何をするにもあの人を呼ばなきゃいけない。
お風呂やトイレはあの人にお姫様抱っこで連れていかれ、ドアの外で待たれる。
料理はあ〜んで食べさせられるし、寝るときは一緒の布団で抱きしめられながら寝る。
料理にはあの人の体液を混ぜられているし、食べ切るまで許してくれない。
唾液や血液の場合はまだましだけど、精液のときは本当に耐え難くて、
あのなんとも言えない苦味とねっとりした触感、臭みは生理的に慣れない。
苦虫を噛み潰したような顔をしながら食べてると、あの人はうっとりとしたような恍惚な表情をしていて、
それが、より一層吐き気を催す。
それと対照に寝るときはただ抱きしめられているだけ。
記憶の中ではこんなに優しく抱きしめられたことなんかなくて、皮肉にもずっと望んでいた温もりだった。
ある日、ずっと考えてたことを話してみた。
ほとけ♀
ほとけ♀
いふ
ほとけ♀
そしてあわよくば逃げ出したい。
いふ
いふ
ほとけ♀
ほとけ♀
いふ
いふ
いふ
いふ
ほとけ♀
いふ
いふ
ほとけ♀
あっという間に産まれたての姿にされる。
全身を這うあの人の舌使い、手つきがいやらしくて気持ち悪い
人は本当に恐怖を感じてるときは反抗できないらしい。
反抗しないことを受け入れたのだと思ったのか今度は深いキスをしてくる。
唾液を吸われているのか入れられているのかはたまた両方か
全身の鳥肌が収まらない。
気を失えれば楽になれるのに…
そんなことを考えながらただ行為が終わるのを待っていた。
外に出たいって言った日から数日
あれからぼくは起きて、ご飯を食べて、犯されて、飛ばされてを繰り返す生活をしていた。
今日は珍しく、起きてもあの人がいなくてちょっと安心したり…
なんて思っているとご機嫌でこの部屋に入ってきた。
いふ
いふ
ほとけ♀
いふ
いふ
いふ
ほとけ♀
いふ
いふ
いふ
ほとけ♀
いふ
いふ
震える手を押さえ込みやっとの思いでサインをした。
まさかこんな形で婚姻届にサインをする日が来るなんて思っても見なかった。
いふ
いふ
いふ
ほとけ♀
いふ
いふ
ほとけ♀
ほとけ♀
いふ
いふ
ほとけ♀
ほとけ♀
ほとけ♀
いふ
いふ
いふ
ほとけ♀
いふ
頭を必死に回して逃げる方法を考えてると、不意に腹部に焼けるような痛みが広がった。
ほとけ♀
いふ
いふ
いふ
そう言ってぼくにぼくを刺したのと同じ包丁を握らせ、あの人のお腹に刺させた。
そしてその血のべっとりとついた手をぼくの頬に添えてキスをしてきた。
いふ
意識の薄れる中で見たあの人の最期は、今まで見た中で1番優しい表情だった。
目が覚めると見覚えのない白い天井が広がっていた。
どうやらあの人はぼくを殺す気なんてなかったらしい。
刺す前に呼ばれていた警察や救急隊員によってぼくらは緊急搬送された。
警察たちが到着した頃にはあの人は息絶えてたらしいけど、ぼくは急所を外されていたから助かったそうだ。
その後、娘がいなくなっても警察に通報しない、学校に体調不良と嘘をついていたなどから育児放棄がバレ、母は警察のやっかいになっているらしい。
けど、今のぼくには母に捨てられていただとかどうでもよかった。
多くの人が寝静まる夜中の2時
眼前には果てしなく広がる濃紺の海原。
ここに来た理由はただ一つ。
愛するあの人の色に呑まれるため。
まさか、誘拐してきた人を好きになるとは思わなかった。
けど、狂っていたけどあの人はぼくがずっと望んでいた愛情をたっぷりと注いでくれた。
好きになるのは必然だったのかもね。
ほとけ♀
ほとけ♀
また抱きしめてもらえることを願って深い青に身を投げ捨てた。
あの婚姻届を抱きしめながら─────
end
コメント
19件
こういうのってメリバトっていうんですかね?なんかこういう系の話も好きになりそうです!
時差コメ&初コメ&フォロー失礼します あるオプチャでながれてた絵だ~って思って みてみたらまさかこんなにめっちゃ良い小説だったとは… バッドエンド好きじゃないんですけど、この小説めっちゃ好きです! 長文失礼いたしました
うわぁぁぁ…好き なんかもうめっちゃ好き(語彙力なさすぎ) でもなんか切ないぃぃ これが2人にとってのハッピーエンドになったのかな?🤔 私の勝手な妄想だけど 🤪くんは愛し合った状態で心中したかったぽいからわざと💎ちゃんを生かして自分のことが好きだったと気づかせてそれから一緒になりたかった的なこともあったのかな…みたいな