作者
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月島蛍
影山は強い力で僕を抱きしめていた
影山飛雄
聞き取れるか聞き取れないかくらいの声量で呟くように言った。
僕の胸の中で。
影山飛雄
影山飛雄
そして影山は僕を突き飛ばした。
その衝撃で僕は尻もちをつく
月島蛍
顔を見上げた
影山の顔を見て、 言葉の途中で止まる
影山は涙を目に溜めていて、今にも溢れ出しそうだった
雨ではないこと。分かる。
影山飛雄
影山飛雄
影山飛雄
影山飛雄
影山飛雄
影山飛雄
影山は途切れ途切れにそう言う。
もう涙が頬を流れていた。
影山が息を整える。
震えながら、息を整える。
影山飛雄
影山飛雄
影山飛雄
僕は立ち上がり、影山がさしていた傘を拾う
そして俯いている影山に差し出す
月島蛍
月島蛍
影山飛雄
月島蛍
月島蛍
月島蛍
僕はそれ以外言う言葉が見つからなかった。
影山は俯いて、小さく頷いた。
その後、影山は正式にバレー部から退部した。
澤村先輩の計らいでいつでも練習を見に来てもいいそうで、ときどき 練習を見に来ていた。
日向はどことなく寂しそうにプレーするようになった。
皆、春高に向けて必死に 練習していた。
僕も練習に参加するようになった。
そして春高当日。
当日も影山は応援席にいた。
椿原学園高校に勝利し、2回戦目。 強豪の稲荷崎高校。
影山がいなくなって、菅原さんの トスを僕は打った。
僕らは必死に戦った。 しかし敗北した。
音駒との決戦も叶うことなく、 春高2日目にして終わった。
そして巡り巡って、3年が過ぎた。
僕は3年間 バレーボールをやった。
影山のためじゃない。 自分のために。
影山は烏野の練習を 毎日見に来ていた。
そして卒業式
月島蛍
影山飛雄
影山飛雄
月島蛍
影山飛雄
月島蛍
影山飛雄
影山飛雄
月島蛍
もう事故のときの暗い影山の 面影はないように見えた。
まぁ眼帯してるし、義足だけど。
月島蛍
影山飛雄
影山飛雄
月島蛍
影山飛雄
影山飛雄
影山飛雄
月島蛍
あまり驚かなかった。
僕はあの日のことを後悔している。
雨の中、お前のせいじゃないと影山は言ってくれたけど。
バレーしかなかった影山にとって バレーを奪ったのは僕だ。
僕のこの気持ちは雨と君と一緒に剥がれ落ちてくれなかったみたい。
だから君のためだったら なんでもするよ
例え君が死にたいと言おうとも。
バレーを続けたいのも本当。 博物館で働きたいのも本当。
でも僕には君のその願いを前にしてはちっぽけな物に思えた。
月島蛍
月島蛍
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