そう生まれた時からわかってたんだ
深海に沈む船のように
いつか忘れ去られてしまうのだ
思い出だけが過ぎてゆくのだ
僕は死んでしまったのだろうか?
ただ息をして待つばかりさ
泡沫に呑まれ消えてゆく日々を
戻ることない失った日々を
戻ることない失った日々を
ーーーーーーーーーーーーーーーさざなみとブレーキの音ーーーーーーーーー
主ぃ(作者ぁ)
恐ろしいほどに澄んだ青空−−−–––-−–
凪原 市波
夏の盛り、陽炎が揺れるアスファルトの上
凪原市波は、一度だけ振り返って叫んだ。彼女の足元は、いつだって裸足だ。
両親はすでに亡くなっていて、市波がどこで何をしていようと怒られることはない。靴を履き忘れて外へ飛び出しても、叱る声すら聞こえてこない。
だが、彼女にとってはそれは自由だった。
凪原 市波
そう言って笑う彼女の白い足裏を、博多湾からやってきた潮風が吹き抜ける
鷹見啓悟
後ろから必死についてくるのは、背中に小さな紅い羽を生やした鷹見啓悟だ。
彼の家庭もまた、別の意味で壊れていた。父から逃げるように家を飛び出し、市波と過ごす時間だけが、彼にとって唯一「呼吸ができる」場所だった。
市波はぴたりと足を止めると、追いついてきた啓悟の手をぎゅっと握った。
凪原 市波
市波は無邪気に笑う。 透き通るような細い指先。彼女の肌は、綺麗だ。 どれだけ太陽の下にいても日焼けすることはない。
まるで、光そのものを弾いてしまう「深海」の底にいるかのように
その指先の冷たさが、啓悟には心地よかった。 啓悟がその手を握り返す。不思議とどこまででも歩いていけるような気がした
2人の秘密基地は、人気のない神社の裏手にある、古い資材置き場
市波は、ポケットから「形が崩れたけん」と和菓子屋さん からもらってきた薄皮饅頭を、二つ並べた
凪原 市波
鷹見啓悟
鷹見啓悟
鷹見啓悟
啓悟がぽつりと漏らした不安に、市波は饅頭を飲み込みながら、 当たり前のように答えた
凪原 市波
凪原 市波
凪原 市波
鷹見啓悟
凪原 市波
「お嫁さん」だとか「奥さん」だとかそんな難しい言葉は知らない
ただ、「大好きだからずっと一緒にいたい」という、 5歳の子供が持ちうる最大級の純粋な感情。
鷹見啓悟
鷹見啓悟
啓悟は顔どころか、耳まで真っ赤にして絶句した。 感情に反応してぱたぱたと翼が震える。
鷹見啓悟
凪原 市波
(私がそうしたいって言ってるもん)
市波は、啓悟の背中にある紅い翼にそっと触れた。
凪原 市波
市波は興奮して、東京の親戚に矯正された 「私」という一人称を忘れて大声で叫んだ。
鷹見啓悟
どこしゃおっても、俺が見つくるばい。
それは、夕焼けの空に溶けていきそうな、 小さいけど大きい、暖かい誓いだった
凪原 市波
鷹見啓悟
主ぃ(作者ぁ)
まじでへたかもしんねぇ。ごめんなさい博多の方。
凪原 市波
しか知らんっちゃんね。
鷹見啓悟
主ぃ(作者ぁ)
啓and市(2人)
主ぃ(作者ぁ)
主ぃ(作者ぁ)
主ぃ(作者ぁ)
凪原 市波
主ぃ(作者ぁ)






