瀬戸 奏多
わかった…
瀬戸 奏多
何言っても無駄なんだろ…
瀬戸 未怜
はァ…はァはァ…
え…?
急に過呼吸?
瀬戸 奏多
未怜?
私に近付き背中を擦る───
瀬戸 未怜
触ら…ないで…ハァハァ
瀬戸 奏多
あ?
瀬戸 奏多
そんなこと言ってる場合かよ
瀬戸 未怜
嫌…!!
瀬戸 奏多
うるせぇよ!黙って呼吸整えろ
gyっ──
不覚にも奏多に抱きしめられると落ち着く私がいる───
しばらくして完全に過呼吸は収まった
瀬戸 奏多
落ち着いたか?
瀬戸 未怜
うん…
瀬戸 奏多
じゃ…俺出掛けてくる…
瀬戸 未怜
え?
瀬戸 奏多
一緒にいたくないだろうから…
なにそれ…
私がそういう態度取っちゃってた?
キュッ──
出かけようとする奏多の袖を掴んだ
瀬戸 奏多
ん?
瀬戸 未怜
……
瀬戸 奏多
なに?
瀬戸 未怜
…ううん
瀬戸 奏多
言いたいことあんなら言えよ
瀬戸 未怜
別に…
瀬戸 奏多
( ニヤ
瀬戸 奏多
ならこの手は?
瀬戸 未怜
なんでもない…
瀬戸 奏多
行ってほしくないならそう言ったら?
瀬戸 未怜
…別に
瀬戸 奏多
どうすんの?
瀬戸 未怜
…ばか
瀬戸 奏多
俺はお前だけだから
瀬戸 未怜
信じてるよ…ちゃんと
瀬戸 未怜
でも…奏多なら這ってでも帰って来ると思った
瀬戸 奏多
そうだな…
瀬戸 奏多
ごめん
瀬戸 奏多
動きたくても身体動かなくて…
瀬戸 奏多
言い訳にしか聞こえないかもしれないけど…
瀬戸 未怜
ううん…
瀬戸 未怜
わかってる
gyっ──
俺は思いっきり未怜を抱きしめた
瀬戸 未怜
ごめんね…
瀬戸 奏多
お前は悪くないから謝んな
瀬戸 未怜
……
瀬戸 奏多
今日も迎えに行こうとしたんだけどな
瀬戸 未怜
うん…
瀬戸 奏多
旭陽と喧嘩して…
瀬戸 未怜
そうなの?珍しいね
瀬戸 奏多
だな
数時間前───
瀬戸 旭陽
俺気になる人出来たわ
瀬戸 奏多
そうなん?
瀬戸 旭陽
絶対敵わない人だけど
瀬戸 奏多
おつw
瀬戸 旭陽
あ、でも今のままならわからんか
瀬戸 奏多
は?
その一言で未怜だとわかった
瀬戸 奏多
本気で言ってんの?
瀬戸 旭陽
流石だな
瀬戸 旭陽
相手が誰かわかったか
瀬戸 奏多
ふざけんな
瀬戸 旭陽
こっちの台詞だよ!
瀬戸 奏多
あ?
瀬戸 旭陽
どんだけ泣かせりゃあ気が済む
瀬戸 奏多
別に泣かしたくて泣かせてるわけじゃ…
瀬戸 旭陽
結婚前からだろ
瀬戸 奏多
それは…
わかってる…
俺のせいで未怜が泣いてるのも
狙われるのも…
瀬戸 旭陽
俺本気で奪いに行くから
瀬戸 旭陽
今日の迎えも俺が行く
瀬戸 奏多
は?
瀬戸 奏多
なんでお前が行くんだよ
瀬戸 旭陽
今の未怜ちゃんはお前が行ったって喧嘩になるだけだろ
悔しいが何も言い返せない








