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スマホを確認するが、特に彼女からの連絡はない。
時間はとうに10分以上が過ぎている。
ユウヤ
徐々に、焦燥感が募り始める。
その時、告白の夜に彼女が言ったことが、頭の中に響いた。
『もう二度と、好きって言わないで欲しい』
結局……、僕は、その言葉の真意を確かめることができていない。
もちろん聞こうとはした。
しかし彼女はそう言った後、すぐに話題を変えて歩き出してしまったのだ。
ユウヤ
ユウヤ
嫌な考えがぐるぐる回って、脳みそがぐちゃぐちゃになる。
LINEのチャットを見るが、先ほど送ったメッセージは既読になっていない。
次々と湧き上がる不安で僕の指は凍りついてしまっていた。
ユウヤ
ガンガンと一定の周期で頭が痛み出す。
まるで頭の中でドリブルされてるみたいだ。
ユウヤ
ユウヤ
しかし、いつの間にか--僕の意識は体育館にあった。
両手でバスケットボールを持って。
体育館には、もう一つの人影がある。僕と相対して立ちすくむ人物。
『先輩』だった。
頭痛はピークに達していた。
地震にでも見舞われたかのように、頭の中全体が揺れる感覚。
そして、その奥深くから浮かんできたのはーー
長年僕の中に棲みついている、一つの思いだった。
ユウヤ
???
不意に響いたその声は、僕を幻の世界から引っ張り出した。
パタパタと近づく足音に、僕はゆっくりと瞼を開ける。
スズ
ユウヤ
そこには、膝に手をついてぜえぜえと息を弾ませる立花さんがいた。
スズ
スズ
スズ
矢継ぎ早にそうまくし立ててくる彼女を、僕は数秒間ほど眺めていただろうか。
段々と、目の前の現実が呑み込めてくる。
同時に、言いようのない安堵感が胸に染み渡っていく。
気づけば、頭痛はほとんど治まっていた。
スズ
スズ
ユウヤ
ユウヤ
ユウヤ
正直まだ気分が悪かったが、彼女に心配をかけまいと表情を取りつくろう。
しかし立花さんは、疑り深い目で斜め下からじぃっと僕を見上げてくる。
スズ
ユウヤ
ユウヤ
スズ
スズ
彼氏。
彼女が何気なく言ったその言葉に、ドキッとする。
ユウヤ
僕は本当に立花さんと付き合っているのだ。
ユウヤ
スズ
スズ
ユウヤ
スズ
不安になったり、安心したり、かと思えば嬉しくなったり。
たった数分間のことなのに……感情の振れ幅が激しすぎて、いささか以上に疲れた。
だが、嫌な感じはしなかった。
そんな僕をよそに、彼女が言う。
スズ