紗良
ねえ!
晃司
どした?
陽太
なんだ~?
美南
どうしたの?
紗良
うちの学校に廃部あるよね⁉
晃司
あるけど…
美南
確か写真部だったよね?
陽太
うん、うちの兄貴が写真部だった
晃司
それがどうした?
紗良
写真部で使われてた教室の前をたまたま通りかかったの!
紗良
そしたら中に人が居たの!
美南
え
晃司
マジか!
陽太
てか、よく通れたな。お前
美南
まぁ、写真部があった教室のある校舎ってあんまりいい噂聞かないもんね
晃司
うん
晃司
なんで通ったんだ?
紗良
先生に勉強で使う資料持ってきてって言われたの!
美南
そっか!
美南
資料室って写真部の隣だったよね
紗良
そうなの!
陽太
で、話戻して人が居たからどうしたんだよ
紗良
そうそう!
紗良
何してるんだろうって思ったの
紗良
で、教室のドア開けたの
晃司
開けたの⁉
紗良
うん、開けたの!
美南
知ってる人だったの?
紗良
ううん
紗良
うちの学校の制服だったからもしかしたら知ってる人かも!
紗良
って思ったの
陽太
バカかお前は…
晃司
話しかけたのか?
紗良
うん
紗良
何してるんですか~?
紗良
って
紗良
そしたら…
陽太
そしたら?
紗良
こっち見てニヤって笑ったの
美南
え、怖い!
紗良
私も怖かったからそのまま帰ったの
晃司
その後どうしたとかあるのか?
紗良
とりあえず先生に言ってみた
美南
先生なんて言ってたの?
紗良
まぁ、立ち話もあれだな~って思ったわけよ
紗良
だから、現場に連れてった
陽太
マジかよ…
紗良
でも、写真部の教室には誰もいなかったの
紗良
先生はふざけるのはやめなさいっていって呆れてた。
美南
つまりは信じなかったってことだよね
紗良
そうなんだよね~
晃司
なんか、幽霊っぽいな
紗良
私も最初そう考えたんだけど写真部から職員室って結構遠いからその間に出ちゃったのかな?って
美南
確かにそういう風にも考えられるよね…
晃司
確かにな
紗良
だから、私が見たような子を学年中探し回ったわけよ
美南
その子はどんなこなの?
紗良
髪の毛が長くて口しか見えなかった
晃司
で、その子は居たのか?
紗良
ううん、いなかった
美南
そうなんだ…
晃司
て言うか陽太どこ行った?
紗良
無言おちはやだぞ!!!
美南
笑笑
陽太
わり、ちょっと紗良の話について元写真部の兄貴に聞いてたんだ
紗良
まじで!
晃司
どうだったんだ?
陽太
分かったことがある
紗良
なになに?
陽太
10年前に写真部で一人自殺したこが居るらしい
晃司
どんなこなんだ?
陽太
名前は
陽太
朝比奈岬
紗良
朝比奈?
晃司
美南と同じ名字だな
美南
ごめんねー
美南
寝おちしてた~
美南
今から追いつくから~
美南
え、
陽太
気を悪くしたよな
晃司
ま、同じ名字だと余計にな~
紗良
美南こう言うの苦手だもんね
陽太
違う
陽太
朝比奈岬っていうのは
陽太
美南のお姉さんなんだ
紗良
嘘
晃司
え、
美南
そうだよ
美南
朝比奈岬は私の姉なの
陽太
詳しく聞かせてくれないか?
美南
…
紗良
嫌だったらいいと思うよ!
晃司
そうそう無理しなくていいし
美南
分かった、話すね…
美南
私の姉は昔から写真を撮るにも写るにも好きだった人なの
美南
高校に入ったときに写真部が無いなら私が作る!っていって張りきっていた。
美南
私たちは10歳年が離れてるんだけど、お姉ちゃんが学校卒業式したら私が入学して写真部をやる!って私が言ってたよって
美南
お母さんがよく言うの
美南
当時の写真部は新聞も書いていて毎年夏になる頃には心霊とかの特集もするんだって言ってた
美南
だから、お姉ちゃんは何かいいネタはないかって言って、夜になるといつも学校に行ってて遊んでくれなかった
美南
で、ある日夜の学校から帰ってくるなりこういい出したの
美南
なかなかいいネタがない。そうだ、自分がネタになればいいんだ
美南
って言ったの
美南
その次の日お姉ちゃんは自分がよく使っていたカメラで動画を撮りながらナイフで自分を刺して苦しむようすをずっと撮ってたの。
美南
その日から写真部のある校舎では悪い噂が流れ始めたの
紗良
そうなんだ…
紗良
じゃあ、私が見たのって…
美南
うん、お姉ちゃんだよ
美南
当時お姉ちゃんは髪が長かったから
晃司
そうなのか
陽太
教えてくれてありがとう
美南
うん
美南
後いい忘れてたけどお姉ちゃんと私が写真部継げなかったら針千本飲んで指を切らなきゃいけないんだ。
紗良
え?
美南
私はその約束を守れなかったの
陽太
今からでも間に合うよ!
晃司
美南がやったら俺ら部員になるよ!
紗良
うん!
美南
ありがと
美南
でも、写真部はもう作れないの
陽太
なんで?
美南
お姉ちゃんが死んだから
美南
じゃーね、皆
晃司
待てよ!
陽太
美南!
紗良
美南!いかないで!
紗良
美南…
晃司
本当に死んだのかよ
陽太
くそっ!
紗良
でもなんで?
晃司
なにが?
紗良
死に方だよ!
紗良
何で針を千本飲んで右手の小指を切ったんだろって
陽太
バカかお前は!
陽太
美南は約束をしたんだ。当時の美南は小一だった。だから、約束するときは指切りだろ。
紗良
そんなの知らないよ!
晃司
笑
陽太
あいつは責任感が強い。だから、約束を守れなかったから
陽太
針千本飲んで指を切ったんだ
晃司
でもなんで右手なんだ?
紗良
確かに!美南は右利きだよね?
晃司
うん、だから切るには左では力入んないじゃ…
紗良
そうそう!
陽太
右利きだからこそだよ
晃司
え?
紗良
?
陽太
右利きだから右手の小指で約束した。だから、約束をした方の指を切ったんだ。