〜下校中〜
西から差し込む夕日が僕たちの頬を朱に染める
反応は悪くない
全てが上手くいく、そう思っていた
澪
航太
少し臭いセリフだったが本心だ。
澪
航太
西日のせいか表情が読み取れない。
〜数秒の沈黙〜
これが何十時間にも何百時間にも感じられた
澪
澪
少しの動揺
航太
澪
澪
澪
澪
澪
澪
航太
澪
澪
澪が何を言いたいのかすぐにわかった
航太
澪
澪
航太
航太
この話をされるとは思っていなかった
この話は、この話だけはしたくなかった
澪
澪
記憶の奥底に潜んでいた自己嫌悪が襲いかかってくる
澪
航太
航太
澪
澪
澪
澪
澪
澪
航太
航太
航太
こんなつもりじゃなかったんだ
澪
やめろ
澪
優しい言葉をかけるな
澪
僕は君が思うような、そんな人間じゃない
澪
澪
澪
澪
澪
自分がこの時、泣いていたのか、怒っていたのか、はたまた笑っていたのか
そんなことさえもわからない中、出てきた言葉は、この会話を打ち切るのに最も適当で最も最悪な言葉だった
航太
僕はこの時、彼女のために言葉を尽くすべきだった
でも僕は僕の犯したミスを、そのミスを目の当たりにしたくないがために逃げてしまったんだ
抜け殻のようになった僕を包み込んでくれていたはずの暖かな夕日はずっと前に沈んでしまっていた。
学校に行くのが怖かった
彼女と会うのが怖かったのだ
教室に入り、辺りを見渡す
しかし、まだ彼女の姿はない 登校前のようだ
キョロキョロと辺りを見渡していると後ろから肩をポンと叩かれる
友人の学生Aだ。
学生A
学生A
学生A
航太
航太
学生A
学生A
学生A
学生A
航太
学生A
まぁ、俺たちからしてみればあんなに可愛い澪ちゃんと付き合えるなんて最高だけど
学生A
学生A
学生A
昨日、澪から言われたことがフラッシュバックする
航太
思わず感情的になる
学生A
学生A
航太
航太
学生A
学生Aに悪意がないことも自分が空回りしていることも分かっている。
学生A
学生A
航太
〜数分後〜
澪が教室に入ってくるのが見える
澪の登場でクラスの空気が和らぐのを感じる
しかし、逆に僕の緊張はMAXだった
澪になんて声をかけたらいいか、何をすべきなのかもわからない
澪
予想外の展開だった
航太
澪の方から声をかけてくるなんて
澪
澪
澪
澪
澪
これも、予想外
航太
航太
航太
澪
澪
澪
澪
澪
澪
澪が満面の笑みでこちらを見つめてくる
航太
航太
僕は驚きと嬉しさで涙を流していた