凛(幼少期)
はぁ…
なにもわからない
なにも感じない
ずっと作り笑顔でいる
『他人に合わせたらいい』
それだけを思って行動していた
サッカークラブの時もそうだ
監督
凛!なんでそこでパスを出さない!
監督
お前のせいで負けた!
凛(幼少期)
…すいません
だから自分自身のプレーから
チームを操るプレーに変えた
そしたら、チームは勝てた
監督
凛!すごいぞ!
監督
これからもがんばれよ!
凛(幼少期)
はい…
自分自身なプレーがしたい
でも、他人を傷つけるから
そんなことは言えない
母
凛、ご飯よー!
母
はい、今日は凛の好きなカレーよ!
別に好きじゃないよ
でも、言わない
傷つけるから
凛(幼少期)
やった!
凛(幼少期)
おいしそうだね!
母
ふふ、うれしいわ!
父
よかったな、凛!
凛(幼少期)
うん!
凛(幼少期)
いただきまーす!
凛(幼少期)
パク
凛(幼少期)
(え、味がしない)
凛(幼少期)
…
母
?
母
凛、どうしたの?
母
おいしくなかった?
凛(幼少期)
ハッ
凛(幼少期)
いや、ううん
凛(幼少期)
おいしいよ!
凛(幼少期)
母さんのつくる料理はぜーんぶおいしいよ!
凛(幼少期)
いつもありがとう!
父
ははっ、凛はいい子だな!
母
ふふ、そうね!
凛(幼少期)
へへっうれしいな
なんで笑ってるんだろう
楽しくないのに
わからないな
味覚がなくなった
なんでだろう
悲しいとかは思えない
でも、サッカーは続けてきた
兄ちゃんが世界一で俺が世界二になる という約束を叶えるために
数年後
冴
今のコース甘いんじゃねぇか?
凛
!
凛
にい、ちゃん…
凛
…おかえり(ニコ
心が暖かくなる
こんなこと久しぶりだ
冴
俺は世界一のMFになる
凛
そんなの、俺が夢見てきた兄ちゃんじゃない!
冴
消えろ凛、もう俺の人生にお前はいらない
凛
!
この言葉を聞いたとき
俺のなかのすべてが崩れた
想いを見失ってしまった
♡10で次回