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たっぷりと水を入れた水瓶を棒の両端にかけ、
その天秤棒を肩にかついで
水を王宮まで配達するのが、その水配達人の仕事だった。
その両端にかけた水瓶のうち、1つは、
ヒビも欠けたところもない完全な水瓶だったが、
もう1つには、ヒビが入っていた。
川から王宮までは、遠い道のりだったが、
完全な水瓶は、いつも満杯の水を運ぶことができた。
ところが、ヒビ割れたほうは、川から王宮に着くまでに、
水の量が半分ほどに減ってしまうのだ。
2年間毎日、
配達人は王宮まで、水瓶1杯半の水を運び続けた。
完全な水瓶は、自分の仕事を誇りに思っていた。
目的通り、1滴も取りこぼさずに水を運ぶことができたからだ。
しかし、ヒビ割れたほうの水瓶は、
ヒビの入った水瓶
と、自分のダメさを恥じていた。
ある日のこと、川のほとりで、
ヒビ割れた水瓶が配達人に話しかけた。
ヒビの入った水瓶
ヒビの入った水瓶
配達人
配達人は聞いた。
ヒビの入った水瓶
ヒビの入った水瓶
ヒビの入った水瓶
ヒビの入った水瓶
ヒビの入った水瓶
ヒビの入った水瓶
ヒビの入った水瓶
ヒビの入った水瓶
ヒビの入った水瓶
水瓶は答えた。
配達人は静かな口調で言った。
配達人
配達人
配達人
配達人
配達人
配達人
なるほど、丘に上る道の途中、
太陽の恵みを得た道端の花々が
人々の心に潤いを与えていることに間違いはない。
ヒビの入った水瓶
ヒビの入った水瓶
配達人は優しい口調で水瓶に言った。
配達人
配達人
配達人
配達人
配達人
配達人
配達人
配達人
配達人
配達人
黙ってその話を聞いていた、完全なほうの水瓶が言った。
完全な水瓶
完全な水瓶
完全な水瓶
完全な水瓶
完全な水瓶
完全な水瓶
完全な水瓶
そして、水配達人に向かって言った。
完全な水瓶
完全な水瓶
完全な水瓶