心情
心情
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桃
青
今日も、彼は僕の席に来て話しかけてくれる
誰にも言ったことはないけど
僕は、彼が好きだ
彼はモテるから、諦めるしか、ないと思ってる
でも、"好き"という感情を消したくなくて
ひっそりと片思いを続ける
報われることは、なくても
彼らの楽しげな表情に
少し頬を赤らめる彼に
自然と目がいってしまい、慌てて視線を逸らす
気づいてくれるとこは無いけど
この恋が、実ることもないけど
でも、彼を、目で追ってしまっていた
でも、やっぱり
こちらのキモチに気づくことはなくて
こっちを向いてくれることをなくて
青
桃
2人は、、付き合ったらしい
朝から、ずっと楽しげな彼らを見て
ちりっと焦げるような痛みが自分を縛り付ける
分かってる
ずっと前から彼は、青ちゃんのこと好きだってわかってたし
青ちゃんも、彼のことが好きだと言うことも
だから
だから
仕方ないんだ
恋愛なんて、噛み合わないことばっかりで
伝わる方が
付き合える方が
噛み合う方が珍しくて
カタオモイのまま終わる方が
多くて
フツウ、で
そんな事が、当たり前なのに
切なくて、悲しかった
人と話す気になれなくて
ぼんやりと教室を出る
混雑する廊下を、早足で歩く
彼らの明るい声を、これ以上聞かないように
どんっ
赤
赤
黄
赤
赤
黄
君に、あのことを相談しても、いいのだろうか……?
赤
黄
赤
黄
赤
黄
どくっ
君の笑顔を見て、心臓がうるさく鳴り響く
なんだろう、この気持ち
黄
君の声に、はっと我に返る
赤
出来るだけ明るい声で返事を返す
俺の知らない気持ちに、蓋をするように
黄
赤
黄
赤
黄
赤
赤
黄
君は、寂しげに瞳を揺らした
赤
君は、俺の頭に優しく手を乗せる
それが、何だか嬉しくて、悲しくて
涙がこぼれ落ちる
黄
赤
言いたい事はあっても、涙がとめどなく流れ続ける
赤
赤
黄
俺は軽く俯き、小さく頷いた
君は俺の手を引きながら、歩く
少しだけ、もう少しだけ
この時間が、長く続けばいいと思った
黄
君は、子供のように泣きじゃくる俺の背中を、優しくさすってくれた
赤
黄
黄
赤
ぽつりと呟いた君の言葉が聞き取れず、思わず聞き返す
黄
君は困ったように笑っていた
赤
黄
黄
赤
黄
驚いて"なんで"と言いそうになったが、君の瞳が悲しそうに、不安そうに揺れていて
今にも泣いてしまいそうだったから、言葉を飲み込んだ
赤
今、君とは付き合えないけど、
大切な、大切な友達だと思っているから
嘘偽りのない、自分の気持ちを零した
赤
赤
黄
赤
君はぽかんと口を開けて驚いていた
赤
気持ちを整理して、行き着いた答えを、君に伝える
赤
赤
赤
黄
赤
赤
黄
赤
黄
赤
黄
赤
黄
赤
赤
黄
赤
黄
赤
赤
桃
青
赤
黄
桃
どくん
赤
動揺をひた隠し、笑ってみせる
桃
黄
黄くんと付き合った時の話をされると、実際、まだ慌ててしまう
前は、桃くんが好きだったのもあるし
でも、なんだか、ずっと前から黄くんの事が好きだった気もするから
青
青
赤
黄
赤
ぐいっ
黄
この時、ずっと手を繋いでたのは
2人だけの
"秘密"
にするつもりだ
ちらりと彼の方に視線を向けると、彼とばちっと目が合ってしまって
慌てて視線を逸らした
ぎゅっ
青
桃
青
桃
気持ちが伝わって嬉しかったのは、僕だけの秘密だ
❦ℯꫛᎴ❧