始.
yan
ゆあんだ。
身長は伸びてるけど…
面影があの時と全然変わらない。
緊張からか、胸が高鳴る。
会話を繋げないとって
口を開くけど、震えが止まらない。
ur
ur
こいつを……今から殺す…
yan
ur
取り敢えず会話を繋げないと。
そう思っていたら勝手に 口が動いていた。
内容は考えていないし、 覚えてもいない。
こいつと川へ行った。
そして俺は死んだ。
そんな事を考えていると 口に出てしまった。
ur
ur
ur
ur
「川」という単語から 必死に考えた文だった。
yan
よく聞いていなかったけど 断られたみたいだ。
よかった。
<タッタッタッ、
気づくと ゆあんが走り去っていた。
ur
ur
ur
苦しい。
首を絞められているかのように 息ができなくなる。
hr
透明感のある、 綺麗な声が聞こえた。
ur
hr
hr
hr
hr
hr
hr
ヒロくんが笑みを浮かべて 何かを差し出してきた。
少し動揺したが、 素直に受け取る。
ur
hr
hr
彼は小悪魔のような顔をして、 そう言う。
ur
hr
hr
そう言うと彼は、 とある一軒の家を指差す。
その家は、 この村の中央付近に位置する 建物だ。
ur
最初は 「あの家の主にでも 恨みがあるのか」 と考えた。
hr
ヒロくんは少し俺に近付く。
上目遣いをして微笑んでいるが、 確実に目は笑っていない。
彼の身長が低めで、 子供のような顔立ちな事が さらに恐ろしさを醸し出している
彼は俺の名を もう一度呼び、告げる。
hr
hr
________
________
________
ur
カチッ、カチャッ、
火をつける。
さっきまで持っていた ライトが要らなくなるほどに 明るい。
赤くて、明るくて、綺麗で、
熱い。
全身触れたら ひとたまりもないだろう。
俺はゆっくり下を向く。
この家に着くまでに 沢山あったこの液体は何だろうか。
答えは考えなくても分かった。
ガソリンだろう。
ヒロくんが夜、 村中に敷いたのだろう。
俺は今から 何十人の死者を出すだろうか。
まぁ、いいか。もう。
その家の裏を回ると、 思った通りだった。
ある物体がある。
炭臭い。
昼に “あの場所” で見つけた物と同じだ。
ジジジジという音が鳴っている。
これは…
随分昔に使用されていた、 水素爆弾。
水素は燃えやすい?らしい。
ur
彼が、中央付近に位置する家を 選んだのは、きっと、 村を全部燃やす為だろう。
この村は森や山に囲まれている為、 逃げ場は無い。
家も、自然も、住民も、 全部まとめて、村なのだから。
ur
勇気をだして、炎を付けた。
瞬く間に広がった。
ur
yan
あ、…そういえば
火をつけてから逃げて来たんだ。
でも、なんでゆあんがここに?
………ぁ、
火を付けたあと、後悔したんだ。
親友を殺す事になったから。
だから……連れ出して……____
駄目だ。記憶が曖昧だ。
と、取り敢えず逃げないと。
いや、でも、 ヒロくんを裏切る事に____
yan
思わず目を見開く。
彼が俺の名を呼んだ。
教えてもいないのに。
さっき判明したじゃないか。 ゆあんは記憶喪失って…
まぁ、…でも、
勇気……貰っちゃったなぁ…
気づくと俺はゆあんと走っていた。
タッタッタッ
yan
ur
ずっと 全速力で走っているせいか、 ゆあんの息が切れてきている。
幽霊には、 体力というもの自体が 存在しないらしく、 俺には関係ないのだが。
まぁ、いい
もう少しで着く。
今向かっているのは、 地図中で言う、左下の方だ。
そこ付近には、 ガソリンが無かった。
ヒロくんが忘れたか、 足りなかったか。
元々、左下の方には木々が 少ないので、そこから 走り続けると、火に追いつかれる ことはないだろう。
yan
<タッタッタッ
ur
俺は立ち止まった。
後は大丈夫だ。 真っ直ぐ行けば着く。
それよりも、俺は____
後ろに振り返り、 歩き出した。
Finalepisode.⇒heart.1,000
コメント
12件
最高すぎるって!何かムカついてきた(?)続きが気になりすぎて禿げる。育毛しよ((
かみじゃーん