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高嶺ユージ

25歳

会社員(営業)

会社に行って

家に帰って

コンビニ弁当を食べて

スマホでゲームをしたら1日は終わり

みんなも

変わらない毎日や

変わらない自分に

ウンザリしていないだろうか

………

……

でも

俺は見つけたんだ

こんな毎日を変える方法

誰でもできる事なのに

みんなが気づいてない

いや

気付こうとしていないんだ

ユージ

だから

ユージ

俺が今から見せてやるよ

ユージ

毎日をエキサイトさせる方法

ユージ

それは

ユージ

今を全力で生きる事だ!!

ユージ

朝か…

ユージ

うぅ〜、寒い

ユージ

過去の俺ならこのまま布団で
二度寝となるところだが

ユージ

今は違う!!

ユージ

まずはこの冬を全力で
受け止めてやる!!

ユージはベッドから飛び起きると

あろうことか、 すべての衣類を脱ぎ捨てた

全裸で部屋に仁王立ち

ユージ

ほぅわ〜

ユージ

全身に鳥肌がたつ〜

ユージ

すぐに着替えないと凍死する

ユージ

ユージ

しかし!!

ユージ

冬を受け入れようとする
俺の気持ちは

ユージ

USJのクリスマスツリーより
気高く煌(きら)めいている!

ユージ

いくぞ!!

そしてまさか ユージが最初に身につけたのは

靴下だった!!

ユージ

クッ

ユージ

これを履いたところで
まったく暖かくならない

ユージ

うぅ〜

あまりの寒さに 体がくの字に折れ曲がる

ユージ

まだまだ

ユージ

俺は最後まで諦めない!!

体を起こし

靴下のみで耐える

彼の戦いは朝から 熾烈(しれつ)を極めた…

ユージ

さて

ユージ

ようやく通勤だ

ユージ

今日は車道も歩道も
完全に凍ってるな

街行く人々は足を滑らせないように 慎重に歩いている

ユージ

ふっ

ユージ

たかが通勤と言えどもバトルだ

ユージ

ダラダラ歩いている亡者どもめ

ユージ

俺がごぼう抜きにしてやる!!

ユージは早足で道を歩く

凍った道を踏み潰すかのように 強い足取りだ

ユージ

こんなこともあろうかと

ユージ

裏起毛のクツを買っておいたんだ

ユージ

これさえあれば滑らない!!

ユージは更に歩速を早めて

次々に人を追い越して行った

ユージ

やはり俺こそが最速の王!!

しかし

わずかながら足元が滑る感触

ユージ

おっと

ユージ

さすがに過信は禁物か

瞬間、後ろから迫る気配

殺気に似たものを感知し

戦慄が走る

キレイなお姉さん

ふふふ

ユージ

誰だ!!

キレイなお姉さん

あなた

キレイなお姉さん

その程度で王様気取りなんて

キレイなお姉さん

めでたい子ね

ユージ

なんだと?

ユージ

俺に勝負でも挑もうってか?

キレイなお姉さん

勝負になれば良いけどね

ユージ

面白い

ユージ

俺は高嶺ユージ

ユージ

負けるわけには行かない

シズク

野々神シズクよ

シズク

凍った道の歩き方を
教えてあげる

2人が並走して歩く

傍目(はため)には互角に見える

しかし、当事者には分かる

どちらに余裕がないのか

ユージ

くっ

ユージ

なんて速さだ

シズクは道が凍っていることを 忘れているかのように歩く

ユージ

こっちは滑り止めシューズで
足元を安定させているのに

シズク

シズク

あなた、腰が引けてるわよ

ユージ

なに?

シズク

さっき、一瞬だけど
滑りそうになったでしょ

シズク

あなたは無意識のうちに「ひょっとしたら滑るかも」っと不安になってる

シズク

そうした無意識のココロ、深層心理があなたの身体を支配している

ユージ

だから、なんだって言うんだ!!

ユージ

この勝負には関係ない!!

ユージ

ユージ

(それにしても、なぜあれほど速い)

ユージ

(シズクのクツは
ペタンコのパンプス)

ユージ

(クツの裏には滑り止めなんてない)

ユージ

(むしろ、滑りやすいはず)

シズク

ふふ

シズク

勝負に関係あるわ

シズク

無意識をコントロールすることは
身体をコントロールすること

ユージ

なにを言っているのか分からねぇ

シズク

つまり、こう言うことよ!!

ユージ

!!

ユージ

なんだ?更に速くなった

ユージ

とてもじゃないけど追いつけない

ユージ

それにしてもこの違和感

シズクは左右の足を交互に上げている

歩いているのだから当然だ

しかし、シヅクが前に進むのは 足を地面につけている時

そう

シズクは滑っているのだ!!

ユージ

バカな!!

ユージ

自殺行為だ!!

ユージ

いつ転倒するか分からんぞ!!

シズク

これが無意識の力

シズク

滑っても大丈夫と
ココロが信じているの

シズクとユージの距離が広がる

………

……

シズク

ふふふ

シズク

もう諦めたかしら

シズク

ユージ

まだだぁ!!

シズク

え?

ユージは全力疾走していた

わずかな時間で距離が詰まる

シズク

あなた、走るのは反則よ

ユージ

ここはストリート

ユージ

なにをしようと自由だ!!

シズク

ここは歩道よ!!

シズク

マナーを守りなさい!!

二人が肩を並べそうになったその時

シズク

あ!!

シズクは段差につまづいて転倒した

シズク

痛たぁ〜

シズク

ユージ

ユージ

おい

ユージが手を差し出す

ユージ

いい勝負だったな

とびきりの笑顔

シズク

ふふ

シズク

ばかな子

シズクはユージの手を取り 立ち上がった

シズク

ありがとう

ユージ

どういたしまして

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