北信介
蓮田笑舞
制服に着替えた北先輩が、 体育館を施錠して言う。
吐かれた吐息が 空中を白く染めた。
蓮田笑舞
北信介
北信介
蓮田笑舞
北信介
澄んだ夜空を眺めながら歩く。
ふと、もう少し 一緒にいたくなった。
蓮田笑舞
公園を指さして言う。
それはただの恋の 気まぐれか、
はたまた 冬の終わりが近いからか…。
自分でも分からない。
北先輩の卒業はあと3ヶ月だ。
部活の引退はそう遠くない。
北信介
私の瞳が潤んでいるのを 見たからか、
北先輩は そう言って頷いてくれた。
蓮田笑舞
蓮田笑舞
北信介
北信介
蓮田笑舞
膝に置いた指先は寒さに比べて じんわり温かい。
北信介
蓮田笑舞
北信介
蓮田笑舞
空元気で言うけど、
北先輩は私を じっと見つめるだけだった。
先輩と関われば関わるほど もっと近付きたくなる。
もっと仲良くなって、 真面目な先輩の素顔を暴きたいと。
時間は残り少ない。
もしあと1年一緒にいられたら… 何か違ったかな。
北信介
先輩に呼ばれて顔を上げる。
その時ポロリと溢れた涙を、
北先輩の少し乾いた 指が受け止めた。
北信介
低い声が耳に優しく響く。
それを合図に 涙は一層こぼれてしまう。
北信介
北信介
顔を上げると、
北先輩は 困ったように微笑んでいた。
狐色の瞳に私が映る。
北信介
蓮田笑舞
北信介
驚きのあまり涙も止まる。
北信介
見開いた瞳の下を
するりと撫でた 北先輩はそう笑った。
真面目すぎる君の 素顔を暴けるのは、
どうやら私だけらしい。
真 面 目 す ぎ る 君 を 暴 き た い
fin
コメント
19件
初コメ失礼します! 神作でした!ほんとに尊敬します! 物語の展開も設定もほんとにすごかったです!
今作も天才的でしたね … 尊敬しまふ ✨
連載お疲れ様でした! 次の作品も楽しみにしてます‼️