コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
松尾は車を走らせながら、井上からの連絡に思いを巡らせていた。井上の声に含まれていた緊迫感が、次第に胸の奥で重くなっていく。普通の失踪事件であれば、察の捜査が進むにつれて解決に向かうはずだが、今の井上の言い方はどうもそれを超えている。失踪事件がどこかで絡み合っている「ヤバいこと」とは一体何だろうか
松尾は察署に到着すると、すぐに井上が待つ捜査本部へと足を運んだ。部屋には数名の刑事が忙しそうに資料を広げていたが、井上は松尾が入ってくるとすぐに彼に目を向けた。
井上
井上は無駄に言葉を続けることなく、松尾に資料を差し出した。
井上
松尾はその資料を受け取ると、すぐに目を通した。そこに書かれていたのは、失踪した男性がかって関わっていたある組織の名前だった。その名前は、「アークの契約者」と呼ばれるもの。松尾は一瞬、目を見開く。
松尾和人
井上
松尾は手元の資料をさらに詳しく調べた。アークという組織は、過去にいくつかの国家や企業に影響を与えた暗黒の勢力として名前が残っており、その影響力を行使するために、常に「契約」を交わしていたという。契約とは、言葉通り、文字通りの「取引」。そしてその契約が終わると、契約者は無に帰すか、あるいは消えるのだという。
松尾和人
井上
松尾和人
井上
松尾は考え込んだ。この情報は新しい手がかりになるかもしれない。だが、それと同時に、アークが持つ影響力の大きさを思うと、警察だけで解決できる問題ではないことを感じていた。
松尾和人
井上
松尾はその名前に覚えがあった。過去に聞いたことがあるが、詳しい情報は持っていなかった。高橋俊一は、一度アークの教義に従って行動していたが、ある時、脱退して姿を消したという。その理由も不明だ。しかし、脱退後もアークに関する情報を持ち続けていることは確かだった
松尾和人
松尾和人
松尾和人
井上
松尾はその言葉を無視するように、再び資料を手に取りながら部屋を出た。彼の頭の中では、アークの謎と失踪事件が絡み合い、ついにはその背後に隠された真実が明らかになる予感がしていた。
松尾は自分のオフィスに戻ると、再び「忘れられた契約」を開き、細かい部分まで読み進めていった。ページをめくるごとに、アークとその契約が結びついていく様子が浮かび上がる。そして、突然、彼の目がある一節に止まった。
「契約者は、全ての証拠を消し去る義務を負う。」
その一文が、松尾の心に響いた。もしこの契約が本物ならば、アークの関係者はすべての痕跡を消し去ろうとしているのだ。松尾はその意味を理解し、急いで再び携帯を取り出した。
松尾和人
その時、松尾の直感が告げる。何か大きな真実が、もうすぐ明らかになる....