叶わない恋

隊長の死後、皆が気力を失っている

あのマイキーでさえ、1人誰もいない所で泣いていた

私にはそれが、考えられない事だった

私は、人が死ぬ、という事が分からない

昔、両親を亡くした時も、

"悲しい"という事が分からなかった

半間達バルハラは、東卍の傘下に付くらしい

隊長達が居なくなったからか、私自身も少し気力を無くした

それを悟ってか、出掛ける予定を無くしてくれた

今日も私は誰も居ない家に帰る

でも私は寂しくない

私が私でいられるのは、なんだかんだ言って、うるさいアイツらのお陰だろう

机の上には、私が頼んだパーカーが置いてあった

明日お礼に行こう

今日は集会がある

何かぼーっとする

いま、何話してるんだろ

隊長のこと？それとも、半間のこと？

半間のことだ

あ、希咲か、

あれ？もう次の話？

あ、やばい、意識遠のいてきた

はやく、終わってよ

武道が、どうしたの？

え？なに？なんて言ってるの？

！やめて！痛い、耳がぁ……

叫ぶな、ここで叫んだら、……だ、めだ

あ、ぁあ？……おわっ…た？

ドクンドクン

何？これ

前が……見えない？

ﾊﾞﾀﾘ

だ……れ？

誰なの？

あ、もう、前が見えない

私を読んでいるのは誰？

武道？

それとも半間？

もう、何も考えられないや

そして私は意識を手放した

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