〖バラバラ殺人に注意〗 そんな馬鹿な看板があるかと 突っ込みたくなったが、その不気味な 看板は疑いようもなくそこに存在していた。 私と美衣は自転車に乗っていて、 街頭がひとつも無い十字路に居た。 何処を見回してもあたりは真っ暗な筈なのに、何故か美衣の姿ははっきりと見えた。
咲希
もう既にここは真っ暗なはずなのに。
美衣
美衣もそう言って自転車を漕ぎ始めた。 先を行く美衣と後を追う私。 暫く行くと、途中でバラバラ殺人鬼と思わしき人物と目が合った。 なぜバラバラ殺人鬼と分かったのか なぜ真っ暗な闇の中でそいつは私と目が合ったのか それ等は何故かよく分からない。兎に角不気味だった。 そして、何も喋らない美衣も。いつもは饒舌なくせにとても静かで不気味だった。 その不安を打ち消したくて
咲希
正直に不安を打ち明けた。
美衣
美衣
さっきまで怖いと言っていたくせに、私の言葉を気にもせずに美衣はそう言った。
感情の塊のような普段の美衣と違って、無機質で固い、作り物の様な声だった。
そういえば、バラバラ殺人鬼にバラバラにされていたのは、美衣では無かったか。
私達は突如現れた明るい裏路地に入っていった。
咲希
美衣にあそこに行っていいの?と聞こうとすると遠くの方で誰かが何かを叫んでいた。
声の聞こえた後ろを振り向いても、何を叫んでいたのかは聞こえなかった。
美衣
咲希
美衣の声に前を見ると、いつの間にか美衣はいなかった。
友達が消えたというのに私は気にせずに自転車を漕いだ。何故そうしたのかは分からない。
いつの間にか美衣のことがどうでも良くなった。
自転車を漕ぎ続けていると、不気味な十字路から抜け出して、通学路にある交差点に出た。
咲希
私は何をしていたんだっけ
コメント
1件
不気味で後味の悪い夢でした。皆一度はこのような夢を見たことがあるのでは無いでしょうか