テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
3
255
83
13
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
夕暮れの武器庫の前。 オレンジ色の光の中で、憂太は真希の手首を掴んだまま、じっとその瞳を見つめていた。 真希:「……な、なな、何言ってんだよ! バカ憂太!」 真希の声が情けなく震える。 いつもは凛々しい彼女が、今は捕まった小動物のように肩をすくめていた。 憂太:「バカじゃないよ。本気だよ」 憂太がさらにもう一歩、踏み込む。 自分より少しだけ背の高い憂太に見下ろされ、真希は逃げ場を失ったように俯いた。 いつもは優しく笑うだけの彼が、今は少しだけ強引で、熱を帯びた瞳をしている。 憂太:「真希さん、顔……真っ赤だよ?」 憂太は、彼女の反応を楽しむように顔を近づけて囁いた。 その距離は、鼻先が触れそうなくらいに近い。 真希:「っ……うるせぇ! 夕日のせいだろ!」 真希は怒鳴ってみせるが、耳の裏まで真っ赤なのは隠しようがない。 憂太はふっと口元を緩めると、掴んでいた手首をそっと滑らせ、彼女の細い指に自分の指を深く絡ませた。 「……僕のこと、嫌いになった?」 少しだけ屈んで、真希の耳元で不安そうに問いかける。 さっきまでの強引さが嘘のような、甘えるようなトーン。 真希はその「ずるさ」に、もう心臓の音が爆発しそうだった。 真希:「(……っ、……嫌いなわけ、ねーだろ……!!)」 結局、真希は真っ赤な顔のまま彼の手を振り切り、逃げるように背を向けた。 真希:「……明日! 遅れんなよ! ボコボコにしてやっからな!」 走り去る彼女の後ろ姿を見送って、憂太は嬉しそうに呟く。 憂太:「あはは、楽しみにしてるね。……真希さん」 (つづく)