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🌙第2話:甘い監視

放課後、校庭の隅で友達と話していると、ふと視線を感じた

紬(つむぎ)

(——また、ナツキだ)

紬(つむぎ)

えっ、どうしてここに…?

ナツキ

偶然だよ。君が友達と楽しそうだったから、見守ってただけ

紬(つむぎ)

見守る…?

笑顔は穏やかで、優しい。 でもその目には、どこか計算されたような光があった。

その日の帰り道、スマホに通知が来る

『今日も笑顔が可愛かったね』

差出人はわからない。 でもすぐにナツキからLINEが届いた

ナツキ

変なメッセージ届いてない?大丈夫?

紬(つむぎ)

(——どうして、知ってるの?)

家に帰って紙袋を開けると、中には小さなチョコレートが一つ

手書きのメモが添えられている

『君の笑顔が好きだから、 喜んでほしかった』

その優しさが、少しだけ重くて、つむぎの胸に小さなざわつきを残した。

放課後、 家に帰っても心がざわついていた。 チョコレートを手に取りながら、 つむぎは考える。

紬(つむぎ)

(ナツキくん、優しいけど…ちょっと重いかも)

でも、同時に心の奥のどこかが嬉しくもあった

こんな私に、こんなに自分だけを見つめてくれる人がいるなんて――

翌日も、ナツキは学校で自然に隣に座る

ナツキ

おはよう、昨日のチョコ、気に入ってくれた?

紬(つむぎ)

うん...ありがとう

笑顔で返すつむぎの手を、 ナツキはさりげなく握る

ぎゅっとではなく、そっと。 それがまた、日常の中に少しだけ違和感を生む。

放課後、帰り道で偶然を装ったナツキの姿を見るたび、つむぎは思わず足を止める

紬(つむぎ)

(偶然…かな?)

でもその偶然は、 少しずつ増えていくように感じた。

気づけば、ナツキの存在が日常の一部になっていた

そして小さな紙のメモやLINEの一言が、少しずつつむぎの胸に重くのしかかる――。

ファム・ファタール

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