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勇者と魔王

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勇者と魔王

1 - 勇者と魔王

♥

211

2018年09月05日

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勇者

おーい

勇者

みんな無事か?

僧侶

僧侶

なんとか生きてます

戦士

戦士

こっちもなんとか

魔法使い

魔法使い

うーいたたた

魔法使い

うわ最悪

魔法使い

服がドロドロ😩😤

勇者

とりあえず無事か

魔法使い

無事じゃなーい

勇者

今どこにいる?

僧侶

僧侶

森の中…みたいです

戦士

戦士

砂漠だ

魔法使い

魔法使い

洞窟かなぁ

魔法使い

でも来たことない場所

勇者

みんなバラバラだな…

僧侶

魔王城からどれくらい飛ばされたんでしょう…

魔法使い

地図アプリ見ようとしたら起動しない🙃

戦士

おれは比較的近いはずだ

戦士

魔王城への転送陣の手前の砂漠だからな

勇者

うーむ

勇者

じゃあまずは

勇者

それぞれ一番近い町を探すんだ

勇者

HPとスマホの電源が尽きるとまずい

僧侶

そうですね

魔法使い

ここから出られたらね😇

戦士

りょ

勇者

町で充電器確保したらまたメッセージくれ

僧侶

わかりました

戦士

あいよ

魔法使い

じゃーね🙋‍♀️

接続終了

勇者

さて

勇者

ひとまずみんなの無事を確認できたし

勇者

説明してもらおう

勇者

なぜ仲間3人だけ吹き飛ばして

勇者

おれをここに残したんだ?

勇者

魔王

魔王

魔王

そなたとサシで

魔王

話すべき事柄があったからだ

勇者

勇者

しかも

勇者

なぜチャット?

魔王

魔王

他の魔物に聞かれるとまずいからだ

勇者

はあ

勇者

おれにはおまえと話すべきことはないんだが

魔王

魔王

まあ、そう言うな

魔王

どうせ拘束されていて

魔王

戦うことも逃げることもできぬ

勇者

勇者

勇者

なんなんだ

勇者

話って

魔王

魔王

そなたは自分の父親のことを

魔王

覚えているか?

勇者

勇者

父親?

魔王

魔王

そうだ

勇者

勇者

記憶にない

勇者

勇者

父はおれが幼い頃に事故で死んだ

魔王

魔王

そうか

魔王

勇者

それがどうした

魔王

魔王

どこから話せばいいのか

魔王

魔王

この時をずっと待っていたのに

魔王

いざその時が来ても

魔王

どう説明すべきなのか迷うな

勇者

勇者

もったいぶるなよ

勇者

なんなんだ

魔王

魔王

おまえの父親は生きている

勇者

勇者

は?

魔王

魔王

おまえの父親は

勇者

勇者

いやちょっと

勇者

唐突すぎて意味わかんねえ

魔王

魔王

わたしだ

「はああああああ!?」

『おい!うるさいぞ!』

ガンッ

「くっ…」

勇者

思わず叫んじまったじゃねーか

魔王

魔王

驚くのも無理はない

魔王

魔王

人間の勇者の父親が魔王などと

魔王

誰も想像などできぬはずだ

魔王

魔王

母さんは元気か

勇者

母さんとか言うなあああ

勇者

勇者

いや

勇者

勇者

ちょっとホントに

勇者

わけわかんね

勇者

笑うしかない

魔王

魔王

落ち着け

勇者

落ち着けるかあああ

勇者

いやなんなの

勇者

おまえ魔族じゃん

勇者

人間の敵じゃん

勇者

おれの母さんは女王だっつの

勇者

その息子のおれが勇者として

勇者

魔王を倒しにここへ来て

勇者

それが父親でしたって

勇者

つうか

勇者

おまえ母さんを襲ったってことか!?

魔王

付き合っていた

「はああああああ?」

『おまえ!』

『何度言えばわかる!』

ガンガンッ

魔王

魔王

大丈夫か?

勇者

勇者

大丈夫ではないな

魔王

魔王

話しても良いか

勇者

勇者

順を追って

勇者

手短に

勇者

早くこの混乱を解いてくれ

魔王

魔王

わたしとそなたの母、ナナが出会ったのは

魔王

わたしが修行の旅に出ていた頃

勇者

勇者

修行の旅…

魔王

魔王

魔王城周辺は

魔王

強い人間たちが世界中から集まる

魔王

危険地帯だ

魔王

だから魔族は

魔王

辺境の地へと修行に旅立つ

魔王

勇者と同じようにな

魔王

魔王

その修行の地が

魔王

そなたの故郷にある山の中だった

魔王

魔王

ある日

魔王

幼いナナが山に迷い込み

魔王

修行の疲れで倒れていたわたしを見つけた

魔王

魔王

魔族を見たことのなかったナナは

魔王

わたしを見ても怖がりもせず

魔王

介抱してくれた

魔王

魔王

わたしは

魔王

幼いナナを手にかけることは

魔王

できなかった…

魔王

魔王

それから数年

魔王

ナナはたびたび城を抜け出し

魔王

わたしに会いに来た

魔王

魔王

魔族の将来を背負うわたしと

魔王

人間の未来を担うナナは

魔王

どこか似たような重圧を抱えていたのかもしれぬ

魔王

魔王

わたしたちは

魔王

魔族と人間である以前に

魔王

友人だった

勇者

勇者

魔王

魔王

わたしたちはそのうち

魔王

互いになくてはならない存在になっていった

魔王

魔王

そして

魔王

わたしたちは誓い合った

魔王

魔王

魔族と人間が共に暮らせる世界をつくろうと

魔王

魔王

しかし

魔王

修行を終えて魔王城に戻った頃

魔王

ナナに子が生まれ

魔王

魔王

その額に勇者の証があったと

魔王

世界中に知れ渡った

魔王

魔王

戦いは激化し

魔王

わたしはそなたに会う機会もつくれず

魔王

ナナと話すこともできぬままだった

勇者

勇者

なぜ

勇者

戦いを止めなかった?

魔王

魔王

飢えや恐怖が蔓延している世界では

魔王

魔族も人間も「敵」を必要としている

魔王

争いに満ちた世界など望まないと言いつつも

魔王

争いによって心の安定を図ろうとする

勇者

勇者

それで

勇者

どうするんだよ

魔王

魔王

「敵」をつくるのだ

魔王

魔族と人間の「共通の敵」

勇者

勇者

共通の敵?

魔王

魔王

やろうと思えば

魔王

いつでもできた

魔王

しかし

魔王

そなたの顔を見ておきたかった

勇者

勇者

なんのことだ?

勇者

どういうことだよ

魔王

魔王

もう悔いはない

魔王

はじめよう

魔王

ナナ

その瞬間

とてつもない轟音が響き

未だかつて

感じたことのない

強大なエネルギーが

魔王城に満ちた

『ま、魔王様あああ』

『どうされたのです』

『なぜ次々と同胞を』

『ダメだ、暴走してる』

『暴走だって!?』

『このままじゃ』

『全員やられる』

『反撃だ』

『しかしどうやって』

『勇者だ』

『この世界で唯一』

『魔王様に敵うのは』

『勇者しかいない!』

戦士

戦士

むう

戦士

なんだこの凄まじい気配は

僧侶

僧侶

戦士さん!あなたも感じましたか

戦士

戦士

ああ

戦士

魔王城の方か?

僧侶

僧侶

おそらく

僧侶

僧侶

勇者様、魔法使いさん、大丈夫ですか!?

魔法使い

魔法使い

大丈夫だけど

魔法使い

何が起きてるの😱😱

魔法使い

勇者は無事なの😱😱😱

魔法使い

てか、そもそもアイツはどこにいるの🤔

勇者

魔王城だ

僧侶

ええっ

戦士

勇者!

魔法使い

魔王城🙄🙄🙄

勇者

よかったみんな

勇者

聞いてくれ

勇者

魔王が古代魔法を使って暴走してる

僧侶

ぼ、暴走!?

勇者

魔族も見境なく襲ってる

勇者

城ももうもたない

魔法使い

勇者

時間がない

勇者

頼みがある

勇者

人間でも魔物でもいい

勇者

できるだけ多くのエネルギーを魔王城に向けて送ってほしい

勇者

こっちはすでに

勇者

魔族を引き込んだ

戦士

ま、魔族と!?

僧侶

そんな

勇者

みんな感じただろ?

勇者

途方も無いエネルギーだ

勇者

おれたちだけではダメだ

勇者

力を合わせるしか無い

僧侶

勇者様…

戦士

勇者…

魔法使い

魔法使い

わかった😤

魔法使い

魔族も人間も争ってはいるけど

魔法使い

この世界に生きてることにかわりはない👍

魔法使い

協力させるわ😤😤😤

勇者

ありがとう

戦士

勇者…

勇者

戦士

勇者

おまえは正義感が強いから

勇者

きっと魔族と協力なんてって思うよな

勇者

これまでのお互いの醜い戦いの歴史を思えば当然だ

勇者

でも、正義っていうのは

勇者

生きるためのものじゃないか?

勇者

死ぬための理由じゃなく

戦士

むう…

勇者

僧侶

僧侶

はい…

勇者

君のつかえる神さまは

勇者

世界のすべてを作った

勇者

そうだね?

僧侶

そう…ですね

勇者

その中に魔族は?

僧侶

僧侶

そうですね…

僧侶

考えたこともなかった…ですけど

僧侶

わたし…

僧侶

やってみます…!

勇者

頼んだ

戦士

戦士

とりあえず

戦士

難しいことは生き残ってから考える

勇者

そうだな

勇者

よろしく

勇者

勇者

よし

勇者

じゃあ各自頼んだ!

僧侶

はい!

戦士

りょ

魔法使い

へーい💪

「さて」

「ん?」

ナナ

ナナ

勇者…

ナナ

始まったのね…

勇者

勇者

母さん

勇者

言いたいことは山ほどあるけど

勇者

勇者

いいんだな?

ナナ

ナナ

ええ…

ナナ

あの人の願いだから…

勇者

勇者

わかった

ナナ

ナナ

ごめんね

ナナ

勇者として生まれてきただけでなく

ナナ

さらに重荷を負わせてしまって

勇者

勇者

全くだよ

勇者

父殺しで

勇者

半分魔族で

勇者

でも

勇者

やるよ

勇者

父親とは思えないけど

勇者

いいヤツそうだったから

「さあ」

「エネルギーが」

「届き始めた!」

『勇者ー!』

『いけー!』

『オレたちの代わりに』

『暴走を止めてくれえ』

『頼んだぞー!』

人間と魔族の

膨大なエネルギーが

勇者の中に満ちていく…

そして…

数ヶ月後、魔族の村

勇者

どう、そっちは?

僧侶

はい、順調です!

僧侶

今まで脅威だと思われていた魔族の魔力や毒が

僧侶

作物を強くしたり薬になるなんて驚きました

魔法使い

善悪じゃなくて、それぞれの個性だったのねー😋

魔法使い

人間は非力だけど精密機械扱えたりさ😆

勇者

そうだな

戦士

戦術も学びがいがあるぞ

戦士

平和になったとはいえ

戦士

またいつ暴走魔王が復活するとも限らん

勇者

備えておくに越したことはないよな

僧侶

勇者様はお元気ですか?

勇者

ああ、元気だよ

勇者

また近いうちに顔を出すよ

戦士

おう

魔法使い

お土産よろしくー😂😍

僧侶

お待ちしてます!

「ふう…」

「………」

「…で?」

魔王

暇だ

勇者

なんでチャットできるんだよ

魔王

そなたの結界、ガワは頑丈だが中がスカスカでな

勇者

さいですか

魔王

たまに旅の景色を送ってくれると嬉しいのだが

勇者

えー

魔王

復活しちゃおうかな

勇者

おいおい

勇者

冗談じゃねーぞ

魔王

冗談だよ

勇者

はいはい

勇者

まあ

勇者

そのうち送るよ

勇者

またなt魔王

勇者

おしまい

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