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入学式終わりの教室

窓際の席で外の桜の木を眺めていると

ガラガラガラ ━━━

教室のドアが開いた

三ツ谷

今日からオマエらの担任になった三ツ谷だ

三ツ谷

担当教科は家庭科

三ツ谷

皆は初登校で緊張してるかもしれないけど

三ツ谷

俺も初担任で少し緊張してるから一緒に慣れていこうな

先生の軽い挨拶に付け加えられた はにかみ笑いで教室の女子たちが 一斉にザワついた

複数の女子が小声で 「 やばいかっこいい 」と口を揃える

三ツ谷

まずは出席番号順にひとりずつ自己紹介をしていこうか

自己紹介は少し苦手

みんなの視線が集中して緊張してしまう

失敗したらどうしようと悩んでいる間に 自分の番が回ってくると

心臓が飛び出しそうになる

三ツ谷

次は 5番

えっと……

桜です

好きなものは⋯

ドン !!

ガシャン !!

!?、

突然 教室の外から大きな物音が聞こえた

千冬

ッ、

千冬

触んじゃねえ……!

まだまだ

何温いこと言っちゃってんの?勝負はこれからだろ〜?

竜胆

次はどの関節外されたい?

入学式早々喧嘩って …… と呆れていると

三ツ谷

オイこらテメェら!!

三ツ谷先生が止めに入った

な〜に?せんせ。

俺たちの楽しい遊びの邪魔しないでもらえる?

竜胆

まだ始まったばっかりなんだけど

三ツ谷

オマエらに何があったか知ったこっちゃねぇけど新学期早々喧嘩なんかして、一年生をビビらせないで貰えっかな

一年?

どうしてオレらが一年生に気を遣わなきゃいけねぇの?

普通逆でしょ?

ねえ?

ツートンカラーの三つ編みを 揺らしながら教室へ入ってきた彼が

自己紹介のため立っていた私に向かって 歩いてきた

そして同意を求めながら肩を抱く

…… ……

あれ?聞こえてない〜?

教室の外で金髪の男の人が 口元に垂れる血を腕で拭った

千冬

…… 痛 、

彼はきっとここへ来るまでひとりで あの二人と向き合っていたんだ

…… っさ

ん?

声ちっさくて聞こえない〜

ださいって言ってるの

…… は?

二人がかりでひとりを虐めて楽しんでるなんて恥ずかしくないの?

ざわ ━━

静かな教室から 「 やば 」「 アイツ人生終了」 と何処からともなく聞こえてくる

終了してるのはアンタだよ

ドカッ ━━

んぐっ

三つ編みの男を振り払って 隙を見つけた瞬間に右拳を頬に押し当てた

竜胆

ちょ

竜胆

テメェ

竜胆

兄貴に何してくれてんの

パシ ━━

三ツ谷先生が金髪に 水色のメッシュが入った男の手を掴む

三ツ谷

もう終わりだ

竜胆

チッ、

竜胆

帰るぞ

三つ編みの男は私を一瞥して 水色メッシュと共に教室を出て行った

……

…… ……

…… …… ……

キーンコーン カーンコーン

ああ

私の学校生活

…… 終わりだ

桜舞う春に君と恋に落ちたら

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