入学式終わりの教室
窓際の席で外の桜の木を眺めていると
ガラガラガラ ━━━
教室のドアが開いた
三ツ谷
三ツ谷
三ツ谷
三ツ谷
先生の軽い挨拶に付け加えられた はにかみ笑いで教室の女子たちが 一斉にザワついた
複数の女子が小声で 「 やばいかっこいい 」と口を揃える
三ツ谷
自己紹介は少し苦手
みんなの視線が集中して緊張してしまう
失敗したらどうしようと悩んでいる間に 自分の番が回ってくると
心臓が飛び出しそうになる
三ツ谷
桜
桜
桜
桜
ドン !!
ガシャン !!
桜
突然 教室の外から大きな物音が聞こえた
千冬
千冬
蘭
蘭
竜胆
入学式早々喧嘩って …… と呆れていると
三ツ谷
三ツ谷先生が止めに入った
蘭
蘭
竜胆
三ツ谷
蘭
蘭
蘭
蘭
ツートンカラーの三つ編みを 揺らしながら教室へ入ってきた彼が
自己紹介のため立っていた私に向かって 歩いてきた
そして同意を求めながら肩を抱く
桜
蘭
教室の外で金髪の男の人が 口元に垂れる血を腕で拭った
千冬
彼はきっとここへ来るまでひとりで あの二人と向き合っていたんだ
桜
蘭
蘭
桜
蘭
桜
ざわ ━━
静かな教室から 「 やば 」「 アイツ人生終了」 と何処からともなく聞こえてくる
桜
ドカッ ━━
蘭
三つ編みの男を振り払って 隙を見つけた瞬間に右拳を頬に押し当てた
竜胆
竜胆
竜胆
パシ ━━
三ツ谷先生が金髪に 水色のメッシュが入った男の手を掴む
三ツ谷
竜胆
蘭
蘭
三つ編みの男は私を一瞥して 水色メッシュと共に教室を出て行った
桜
桜
桜
キーンコーン カーンコーン
桜
桜
桜
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