テラーノベル
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「ねえ…君まさか…」
「何?」
「死のうとしてる?」
思わず笑ってしまった
心配性な彼が
なんだか可愛いらしく見えて…
「ふふっ…」
「ドラマの見すぎじゃない?」
「よ…よかった…」
「ご…ごめんなさい…」
「変に勘違いして…」
「ううん…」
「心配してくれただけでも…」
ごめんね…
私…
嘘ついた…
君に話しかけてもらえるまで
死なないって決めたんだ
でも今日…
話しかけてもらえたから…
君が心配してくれたから…
やっと死ねる
ありがとう
話しかけてくれて
嬉しかった
幸せな気持ちで死ねる
翌日
「ふう…」
よし
誰も来ないうちに…
「っ…」
飛び降りた
その時だった
ガチャ
「そんなっ…!」
え…
「…っ…」
私の手を掴みとる
「なんで…!?」
「どうして…!」
「それは…」
「君が好きだから」
「え…?」
その言葉が深く鮮明に
心に響いた
「ふう…」
「危なかった…」
「……」
「ねえ…さっき…」
「その…」
「ああ…そうだった…」
「その…」
「伝えたい事があります」
「僕と…」
「付き合ってk…」
ぎゅっ…
「もちろん…」
「さ…っ最後まで言わせろよ…」
「ふふ…ごめんね…」
この時
始めて
生きたいと思った
ずっとずっと
自分に自身がなかった
だから…
話しかけられるだけでいいって…
思っていた
でも…
貴方に愛される事が
生きる理由になった…
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