テラーノベル
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俺はみこちゃんに隠し事をしている。
俺も昔は羽根を誰かに与える事ができた。
君の背中を彩っている黄金色の羽根は本来君の色ではない。
みこと
初めて会った時、君の背中にあったのは、今までにも見た事ないほどの
黒色の翼
だった。黒い翼は不幸を呼ぶ噂。
君はずっと表情ひとつ変えずに「消えたい」と呟いていた。
みこと
すち
みこと
すち
すち
すち
みこと
君はこの頃から優しかった。自分を不幸にしてるのが羽根だと気づいていても、羽根を大切にしようとしていた。
大切なものを見るような目で自分の黒い羽根を見つめている君。まだ、名前も知らない君のために何かをしてあげたくなった。
すち
すち
みこと
羽がなくなるのが嫌なのか、記憶がなくなるのが嫌なのかどっちなのかは俺には分からない。
みこと
みこと
すち
すち
君だったらどんな色を選んでたんだろうか。
だけど、きっと僕の羽根の黄金色は君に似合うはず。
羽根を変えたい。そう本心を伝えてくれた君は半日泣き続けた。そしてようやく泣き疲れて眠た。
その間に俺は大きな刃物を震える手で背中に当てた。
みこと
すち
本当は怖かった。こんな事したくなかった。だけど、もう言ってしまったことは元に戻らない。
この子は安心しきってしまってる。ここで俺が裏切ってしまったら……そう考える俺が恐ろしい。
すち
スッ…
また今度「初めて合った」ら
素敵な羽根だと笑顔で褒めてあげる。
さよなら
ザシュッ____.
隙だらけの背中に羽根は無い
大きな傷が残っているだけ。
「訳あって無くしちゃったんだ」と
少し前に言ったばかり___
すち
みこと
コメント
10件
待ってこれだけで目頭熱くなってきた…泣きそう… なんでそんなに良い話が作れるん!?
すっちーの羽がないのは前にみこちゃんにあげたからか…