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続き
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どうぞ
ごめんなさい…。
凛
…え、
潔
俺、好きとかよく分からないから、
潔
凛のこと、そういう、恋愛的な意味で好きなのか分からない…
凛
…
潔
凛のことはもちろん大切だ
潔
会えて嬉しいって思ってる
凛
じゃあッ!
潔
でもっ!!!
凛
っ!
潔
俺はそんな半端な気持ちで付き合いたくない…。
潔
だから、ごめん…
凛
…チッ
凛
もういい
凛
帰るぞ
潔
え
潔
いいよ、俺一人で帰れるよ…
凛
ダメだ
凛
もうこんな時間なんだ
凛
送らせろ
潔
…
潔
あ、りがと…
凛
トコトコ
潔
トコトコ
潔
(な、何か、会話…)
凛
…
凛
着いたぞ
潔
え、あ
潔
ありがとう…
凛
…
凛
潔
潔
え、
ガバッ
潔
えっ!?凛!?
潔
(なんで抱きしめッ!?)
凛
…
凛
最後でいいから、
凛
少しだけ、黙ってろ…
潔
!?
潔
…
潔
分かった…
潔
凛、そろそろ…
凛
…ああ
凛
…
凛
悪かった
潔
ううん、俺の方が…
凛
お前は悪くない
凛
…
凛
じゃあな、潔
潔
うん、じゃあな
凛
…
冴
あ、凛か
冴
おかえ…
凛
グスッ
冴
!?
冴
凛
冴
何があった
凛
おれっ、い、さぎにグスッ
冴
あいつに?
凛
…
フラれた…。
冴
…
冴
そうか
冴
来い
冴
凛、頑張ったな…
凛
うっ、グスッうぅ〜グスッ
冴
頑張った、頑張ったな…
"頑張ったな"
そう言って、抱きしめながら頭を撫でてくれた兄ちゃんの手は
とても温かかった…。
凛
にいちゃ、もう、大丈夫…
冴
そうか、
凛
…
凛
兄ちゃん、俺、どうしたらいいいいかな…
冴
一応聞くが
冴
お前はもう潔のことは諦めるのか?
凛
…
凛
うん…。
冴
…
凛
俺は、もうやれることはやった
凛
いつも声に出さないことも
凛
恥ずかしかったけどいっぱい言ったし
凛
行動もした
凛
…
凛
でも、それでも無理だったんだ
凛
だから、もういいんだ
冴
…
冴
そうか
冴
俺は、お前がいいんだったらいい
凛
ありがとう、兄ちゃん
冴
ああ
凛
(俺はもう決めた)
凛
(あいつとは関わらない)
凛
(関わってしまったら、)
凛
(もう一度その目を見てしまったら…)
また恋に落ちてしまうから…。
それから俺は
潔を避け続けた
何があっても、視界に入れないように…
凛
(これでいいんだ)
凛
(これで…)
凛
…
冴
おい、凛
凛
にい、兄貴!?
冴
飯、食うぞ
凛
あ、うん!
あの日から
兄ちゃんが昼飯に誘ってくれることが多くなった
彼なりの気遣いだろうか、
そんな兄ちゃんを見てると
俺は心の寂しさを紛らわすことが出来た
あの日から
俺と凛の関係は変わった
俺は、
凛に避けられているのだろうか…。
潔
…
潔
(俺は、凛と前みたいにずっと一緒にいたいのに…)
潔
(俺は…。)
潔
…
蜂楽
潔
潔
え、あ
潔
蜂楽か、どうした?
蜂楽
ちょっと今いい?
潔
え、いいけど
潔
(なんかいつもと雰囲気違う…?)
蜂楽
潔さ、
凛ちゃんと何かあった??
潔
…え
蜂楽
潔がデートするって言った日から2人なんかおかしくない?
蜂楽
2人だいたい休み時間一緒にいたし、部活も2人で練習してたじゃん
潔
…
蜂楽
何かあったんじゃないの?
潔
…別に、
蜂楽
潔っ!!
潔
っ!?
蜂楽
俺は潔の親友でしょ!!
蜂楽
…
蜂楽
俺、潔がずっと悲しい顔してるの、耐えられないよ…
潔
…!
潔
(俺、ずっとそんな顔してたのか…)
潔
ごめん、ごめんな、蜂楽
潔
…
潔
俺の話、聞いてくれるか…?
蜂楽
!?
蜂楽
もちろんだよ…!
俺はあの日のことを話した
凛に告白されたこと
俺が凛を振ったこと
蜂楽は俺の話を真剣に聞いてくれた…。
潔
俺、凛のこと、そういう意味で好きか分からなくて、
潔
そんな曖昧なままで付き合いたくないんだ
潔
でも、あの日から凛と話せなくなって
潔
すごい、悲しい
潔
俺は、前と同じように、ただ凛のそばにいたいだけなのに…
蜂楽
そっか、
蜂楽
潔、頑張ったね
潔
…
潔
俺は、何も頑張ってない
潔
俺は、凛を傷つけちゃったんだ…
潔
俺は…
潔
あの時の傷ついた凛の顔が、忘れられない…。
蜂楽
…ううん
蜂楽
潔は頑張ってるよ
蜂楽
辛かったよね、苦しかったよね、
蜂楽
それを1人で抱えてたんだもん、
蜂楽
潔は、頑張ってるよ
潔
蜂楽…
蜂楽
潔、
蜂楽
凛ちゃんのこと、本当に好きじゃない?
潔
…分からない
潔
何が恋か、どういうのが好きって言う感情なのか、よく分からないんだ
蜂楽
そっか
蜂楽
ねぇ潔
蜂楽
恋っていうのは、ずっとその人のことで頭がいっぱいになったり
蜂楽
その人のためになにかしてあげたいって思ったり
蜂楽
ずっとそばにいたいって思ったり、
蜂楽
時には、胸が締め付けられるように苦しくなったりすることだよ
潔
…
蜂楽
俺はね、潔は凛ちゃんに恋してると思う
潔
俺が、凛に…
蜂楽
潔、前言ってたよね、凛ちゃんが大切だって
蜂楽
それって恋に近いものじゃないかな
潔
…
蜂楽
それに、何よりね、
蜂楽
潔はさ、凛ちゃんといる時と、凛ちゃんと話す時
蜂楽
すっごい良い笑顔になってるよ!
蜂楽
潔も思ってるんじゃない??
蜂楽
凛ちゃんといるのが1番楽しいって
潔
…
潔
確かに、俺は凛と話すの大好きだ
潔
それに、凛のこと大切に思ってる
潔
でも、その大切は、弟みたいだから…
蜂楽
潔
蜂楽
潔は、弟に嫉妬したりするの?
潔
え、
蜂楽
弟とデートするの?
潔
それは…
蜂楽
…
蜂楽
潔はさ、確かに凛ちゃんを大切に思ってる
蜂楽
けど、その大切は他の人とは違う、特別なものなんじゃない?
潔
…
潔
確かに、凛は、
潔
凛は、特別だ
蜂楽
…ふふ
蜂楽
答えは出たね
蜂楽
その特別な感情が、恋なんだよ
潔
これ、が
潔
"恋"
潔
…
潔
(そうか、俺は、凛のことが好きだったんだな…)
潔
俺っ!凛と話してくるっ!!
蜂楽
うん!がんばってね!!潔!!
蜂楽
応援してるから!!
潔
色々ありがとうな!!蜂楽!
蜂楽
全然だよ!!
蜂楽
絶対に自分の気持ち伝えるんだよ!!
潔
おう!!
潔
ダッタタタ
蜂楽
…
蜂楽
頑張れ、潔
蜂楽
…
蜂楽
(そして、)
蜂楽
(バイバイ、俺の初恋…)
潔
ハァハァ
潔
凛っ!
潔
どこだよ…!
冴
あ?
冴
潔か
潔
冴!?
潔
冴!!凛どこにいるか知らないか!?
冴
…なんでだ
潔
え
冴
なんで凛に会うんだ
冴
お前は凛から離れたんだろ
潔
…
潔
俺は、自分の気持ちがよく分からなかった
潔
凛を大切だと思う気持ちがどういうことなのか
潔
自分から知ろうともしなかった
潔
でもっ!
潔
凛に避けられて、親友と話して、やっと気づけた!
俺は凛が好きなんだ!!
冴
…
潔
遅すぎるって言うのも分かってる
潔
凛を傷つけたことも…
潔
でも、だからこそ!
潔
今度は俺から伝えてやりたいんだ!!
潔
凛を、心から好きってことを!!
冴
…
冴
屋上だ
潔
え、
冴
屋上に凛はいる
冴
早く行け
潔
っ!
潔
ありがとう!冴!!
冴
次また俺の大切な弟を傷つけたら、今度は殺す
潔
おう!
潔
(早くっ!早く凛のとこに!!)







