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夜。
雨上がりの街。
竜胆
竜胆
竜胆
気づけば足が向いていた。 廃ビル。 暗い階段を上がるたび、紫色の蝶が増えている
竜胆
羽音だけが響く。 そして最上階。 月明かりの差し込む部屋で、少女が歌っていた。 紫の蝶に囲まれながら。 肩には、一匹だけ違う蝶。静かな紫色。 床には、倒れた男達。
竜胆
少女は歌を止めない。ただ静かに、こちらを見た。
紫苑
竜胆
竜胆
紫苑
リラが羽を揺らす。 竜胆は周囲を見る。 争った跡。 切り裂かれた床。 細い糸。 なのに——銃声は聞こえなかった。
竜胆
紫苑
短い返事。 でも感情は薄い。
竜胆
紫苑
竜胆
竜胆
竜胆
紫苑
竜胆
竜胆
蝶だけが舞う。
九条紫苑
竜胆
竜胆
紫苑
竜胆
紫苑
紫苑
竜胆
竜胆
紫苑
その瞬間。倒れている男の一人が小さく動いた。リラが羽を開く。空気が変わる。紫苑の瞳が静かに細まった。
紫苑
蝶が一斉に舞う。次の瞬間。小さな、空気の裂ける音。男が倒れた。
竜胆
紫苑
竜胆
紫苑
しばらくして、竜胆が壁にもたれた。
竜胆
紫苑
竜胆
一瞬だけ。紫苑の歌が止まる。蝶が揺れた。
紫苑
竜胆
竜胆
竜胆
紫苑
竜胆
竜胆
紫苑
竜胆
少しだけ。
ほんの少しだけ。紫苑の表情が緩んだ。
そして。
竜胆
紫苑
竜胆
竜胆
紫苑
竜胆
竜胆
また静かな沈黙。月明かり。蝶。歌声。紫苑は小さく目を伏せた。
紫苑
その言葉と同時に、紫の蝶が夜へ舞い上がった。