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シュガードール物語   小春編

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シュガードール物語   小春編

2 - もしかして…ワガママ?

♥

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2025年08月16日

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玲二は小春を連れて 自宅へと帰ってきた

玲二

えっと…ここが俺の家だよ。
お前は今日からここで暮らすんだ。

小春

………………。

玲二

(あちこちキョロキョロしてる。
本当に普通の女の子みたいで可愛いな)

小春

……………………。

玲二

(滅茶苦茶家を見てる)

玲二

(しかしあまり喋らないな。
もしかして無口なのか?)

玲二

(でも大人しい女の子は
好みかも……)

小春

…………可愛くない。

玲二

えっ?

小春

お部屋、可愛くない。
もっと可愛い家具…ないの?

玲二

…………………。

玲二

えっと……可愛くないって?
部屋が?
部屋に可愛さ求めてんの?

小春

当たり前

小春

小春は可愛い可愛い女の子だもん。
可愛い小春には可愛いお部屋じゃないと似合わないの。

玲二

えぇ……。

玲二

そんなこと言われたって…
男子高校生が独り暮らししてる家だぞ?
可愛さ求めるほうが間違ってるだろ……。

小春

……むぅ。

小春は不服そうに頬を膨らませながら ソファに座った

玲二

(不貞腐れてる……)

玲二

(確かに仕草とか人間っぽいな。本当になんか女の子を連れてきたみたいだ)

玲二

(……………)

玲二

(冷静に考えると、女の子ドールを連れて帰って一緒に暮らすことにした俺…キモい?)

小春

ねえ、オーナー

玲二

は、はいっ!!

小春

お洋服

玲二

お洋服?

小春

可愛いお洋服、ちょうだい

小春

可愛い小春を初期衣装のままにしておくつもり?

小春

小春は可愛いお洋服を着てオシャレしたいの。
お洋服、持ってきてよ。

玲二

ふ、服…!?

玲二

(マズイ、服のことなんて何も考えてなかった!そもそも女の子の服なんて何も持ってないぞ!)

小春

……オーナー、なにしてるの。
早くしてよ。

玲二

わ、わかったよ…ちょっと待ってろ。

玲二

(仕方ないな…俺のお古の服を渡すか…)

玲二は押し入れから自分の服を引っ張りだし 小春に手渡した。

玲二

はい、小春の服

小春

…………お着替えするから
あっち向いてて。

玲二

はいはい。

お着替え中……

小春

……お着替え、終わったよ。

玲二

あ、ああ。

玲二

おお……。

玲二

(可愛い子って、何着ても似合うんだな。俺のお古の服ですら可愛く見えるとか……)

小春

……………。

小春は不満そうに玲二を見つめている。

小春

こんなの可愛くない。
他の服、ないの?

玲二

他の服って…あるにはあるけど、それの色違いとかポロシャツくらいしかないぞ。

小春

そんなのイヤ。
リボンとかフリルのついた可愛いお洋服が良い。

玲二

そんなのウチにはないよ。

小春

ないなら買ってきて!
小春、こんな可愛くない服はイヤ!
いつでも可愛くありたいの!

玲二

そんなこと言われても…

小春

大体、ドールをお迎えするのに服もないのはおかしいの。
その場の勢いや軽いノリでお迎えしたの?
そんなのヒドい、小春だって生きてるのに。
いい加減な気持ちのオーナーなんかより、もっと優しくてお洋服も用意してくれるオーナーが良かった……ぐすん。

玲二

わー、わー!
わかった、わかったよ!

玲二

可愛い服、買いに行こう!
俺は女の子の服とかよくわかんないし、お前もついてこい!

小春

わあい♪

小春と一緒に洋服屋に来て 2時間が経過……

玲二

ふぁ……

玲二

(眠い……なんで服一着決めるのに、こんなに時間かかんの……?)

小春

ねえオーナー、これ小春に似合うかな?

玲二

んー、似合うんじゃない……?

小春

……こっちのお洋服は?

玲二

んー、いいんじゃない……?

小春

………………。

ガツッ!

玲二

いった!!
なんで足踏むんだよ!?

小春

オーナー、いい加減なの。
ちゃんと見てほしいのに。

玲二

だって女の子の服とかわかんねえもん!
それに時間かけすぎて……ねむ……。

小春

寝たら困るの。
オーナーの好みとか、お財布事情とか逐一聞かなくちゃ。

玲二

俺の好みったって……可愛ければなんでもいいよ……。

玲二

お金もさ、好きに使ってよ……俺もう眠くて頭働かない……。

小春

………………。

小春

わかったの。
じゃあオーナーは休んでて。
小春、お洋服決めてくるから。

玲二

あいよー…………。

走り去っていく小春の背中を見送り 玲二は睡魔に屈して目を閉じた。

1時間半後……

小春

オーナー、起きて。
お着替え終わったよ。

玲二

むにゃ……んー、おわり……?

小春

ほら見てオーナー。
小春、可愛くなったでしょ?

玲二

おおお…!?

玲二

か、可愛い……。

小春

エヘヘ……。
褒めてもらえて嬉しい。

玲二

(うっ、マジで可愛い)

玲二

(可愛いは可愛いでも……なんというかこう、庇護欲を唆られる方面の可愛いというか……)

玲二

(妹がいたら、こんな感じなのかな……)

小春

じゃあオーナー、小春のお洋服のお会計お願いね。

玲二

おう、いくらだ?

小春

二万円♪

玲二

……………!?

玲二

たっっっっっっか!!!

小春

だって素材が良いのを選んだもん。
他の安っぽい服、可愛い小春には相応しくないし。

玲二

いやだからって高すぎだろ!?
新品のゲームソフト定価で二本は買えるわ!!

小春

ゲームソフトなんかよりも、大事なのは小春が可愛いことでしょ?

小春

ゲームには飽きが来ても、可愛い小春には飽きることないの。
お得な買い物だねオーナー♪

玲二

……………………。

玲二

(コイツって……………)

玲二

(もしかして、ワガママ?)

小春

オーナーお願い。
小春、このお洋服が良いの。

玲二

(うぐぐぐ)

玲二

(あざと可愛い!!)

これから先の小春との生活に 不安を感じながらも 結局可愛さに屈する玲二であった。

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