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どわぁ(?)
MARIMO
MARIMO
MARIMO
MARIMO
東京の片隅、築30年を超えるアパートの一室。
換気扇の鈍い回転音に混じって、シュンシュンと鍋の煮える 音が心地よく響いている。
杉元
杉元佐一が、菜箸を持ったまま隣の男を睨みつけた。
そこには、再会してから数年、もはや「居候」に近い頻度で 杉元の家に転がり込んでいる白石由竹が 当然のような顔をして座っていた。
現代の彼は、定職に就いているのか怪しいものだが 何故か常に小銭と図太い生命力だけは持ち合わせていた。
(ガラッ、と玄関の扉が開く音)
アシリパ
帰ってきたのは、アシリパだ。
かつて、雪山をかけていた少女は今や知的な雰囲気をまとった 大人の女性と成長していた。
小柄な体格こそ変わらないが、その歩き方には迷いがなく 現代の服を着こなす姿には気高さがある。
杉元
白石
そんな冗談を言い合いながら、3人で鍋を囲む。
今日のメインは、杉元がスーパーで手に入れた良質な鹿肉だ。 一口食べたアシリパが、静かに、けれど心底幸せそうに
アシリパ
と呟いた。
ふいに、白石が手元のビールを飲みながらどこか遠くを見るような目で 口を開いた。
白石
窓の外では、東京の湿った雪が静かに降り積もっている。
杉元はふっと視線を落とし、かつての「敵」や「味方」たちの顔を 湯気の中に思い浮かべた。
杉元
杉元は少しだけ口角を上げ、熱い鍋の蒸気に目を細めながら呟く。
杉元
白石
白石がそう言ってケラケラと笑う。
アシリパはその二人のやりとりを、箸を止めてじっと見つめていた。
アシリパ
アシリパは確信に満ちた声でそう言った。
彼女の瞳には、かつての戦友たちへの信頼と 今の穏やかな時間への愛おしさが同居していた。
アシリパ
杉元はその言葉を噛み締めるようにうなずき、温かい肉を口に運んだ。
かつての戦友や宿敵たちが、今、何をしているかは分からない。 けれど、この雪の夜のどこかで繋がっているような 不思議な温もりが胸に広がっていた。
アシリパ
杉元は、不死身の男と呼ばれた頃の不敵な笑みを浮かべ 熱い汁をグイと飲み干した。
MARIMO
MARIMO
MARIMO
MARIMO