花園

沈黙が流れる

それはそうだ

こんな低いところにいるわけがない

ふと、頭の中に声が流れた

汝は何をしに来たのだ

麒麟は首を小さく縦に動かした

この方だったら知ってるかな

義姉妹…とは

話してるんですけどね……

あの、黄色い髪の子供か

あぁ、実に鮮明に覚えている

我に手を出した子供だからな

神獣に手を出した…？

あの子はそんな事しない……でしょ？

もう言わなくても大丈夫だ

麒麟に手を出すとどうなるのか分からせてやったからな

当たり前だ

アイツは確実に悪意を持っていたからな

あの子に手を出した…？

神獣様が10にもなっていない子供を？

そんな事あってはいけない

神獣は首を傾げた

雷を落とした

多分大丈夫だと思うぞ

まあ、我が最後に見た時には目を閉じていたが

あのこにてをだしたの？

それはだめでしょう

私の唯一の柱なのに

……この際、いっそ神獣も殺してしまうか

首を傾げる

子供には手を出さないと

…だからなんだ

背中にある剣を手にとった

きっと勝てる

トン、と足で剣を蹴る

麒麟は未だ沈黙している

…面白い、受けて立とう

カツンッ

麒麟の攻撃パターンは学んだ

蹄を地に叩きつけて落雷

後ろに1歩下がり雷鳴

体が黄色に光ったとき、近距離は効かない

なんだなんだ！逃げてばかりか？凡人

パカッ

蹄を打ち付けた音

パシュッ

弓を放った

すぐさま後ろに下がる

バンッ

目の前に稲妻が走った

麒麟の足から血が流れている

凡人…身の程をわきまえろ

麒麟が向こうから走ってくる

私のそばで頭を上げてきたところに弓で殴った

尖ってたから痛いだろうなぁ

ぐっ…

この……

ま、許さないけどね

スッ

金属音だ

麒麟は口に剣を咥えている

麒麟は吠えた

怒りで知恵を無くしたようだ