21日目の朝のことだった。皆が休んでいるころ、トレーダーが茂みの向こうからひょっこり現れた。
トレーダー
やぁ、久しぶりだね!今日は大事な話がある。

悠翔
久しぶり!どうしたんですか。

トレーダーは手に巻物のような紙を広げ、森の地形図を指さした。
トレーダー
みんな、キャンプ外の探索はいったかい?拠点の結構近くに、古い建物があるんだ。

陽葵
拠点の近く?どれくらいですか?

トレーダー
んー…徒歩で15分程度。水場のそばだとか。見張り塔、Watch Towerとか。

トレーダー
あとは…キャビンとかかな。

Kanade
高さがあれば、鹿やOwlの動きを監視できる場所になるね。

あらたろ
資材と同時に安全確認もできる!いい情報だ。

Dino
ぼく、そこいきたい!

トレーダー
いいけど、慎重にね。建物=安全な場所、というわけじゃない。中に何かがいるかもしれない。

トレーダーはさらに続けた。紙図には、鹿の目撃情報のマークがいくつか付けられている。
トレーダー
そしてもうひとつ、鹿の報告が増えている。

トレーダー
夜になると複数の耳鳴りみたいな音と共に、鹿がそこをさまよってるらしい。

トレーダー
もし安全だったら、見張り塔を有効活用したらいいと思うよ。

悠翔
資材を取るだけでなく、鹿の行動を観察して報告を得ることができるのか。

Kanade
了解。私は見張り塔の構造を調べておく。

その夜、五人は地図を並べ、防衛線の改良案を練った。
陽葵
あの見張り塔が安全なら、拠点にとって大きな補強になるね。
資材も増えるし、見晴らしもよくなる。

悠翔
うん。でも夜の探索は慎重に。Owlの出現も考慮して。

あらたろ
見張り塔を拠点の“サブ拠点”にできたらいいなぁ〜って思うけどね。

Kanade
それは理想だけど、まずは探索と情報回収。

Kanade
壊れてたり中身が空っぽって可能性もあるし。
