リクエスト箱

ドカッ

リビングに響く鈍い音。

また、なぐられた。

言葉を発することすら、ゆるしてもらえない。

でも、俺は彼と離れたくない。

だって

そう、とっても優しいはずだから。

右手を差し出して俺をにらみつける彼。

お金を渡さないといけない。

…のに。

すっかりわすれてしまっていた。

その冷たい目に、おもわずビクッとする。

バシンッ！

また。

…やっちゃった。

味のしないごはんをたべながら。

くるしい

けど

そうすれば

きっと、元どおり。

ガシャンッ

皿を割る彼。

震える手でスマホを操作して。

髪をぐい、っと引っ張ってくる彼。

ああ、そうや。

俺にはかもめんがいなきゃ。

かもめがいなきゃ、俺の…

ギュッ

先程とは打って変わって、別人のように優しく抱きしめてくれる。

あー、やっぱり

すきだなあ。

うそなのか、ほんとうなのか。

きみしかしらない。

君の思惑なんて、俺が分かるはずもない。

だからこそ、しりたくて

掴みたくて、触れたくて。

今日もまた

君に飼われる準備をしてる。