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ぬっぴ!
ぬっぴ!
ぬっぴ!
ぬっぴ!
ぬっぴ!
『あの日の思い出に手を伸ばして』
ぬっぴ!
ぬっぴ!
櫻坂 麗香
ぬっぴ!
夜咲 春樹
ぬっぴ!
街がクリスマスの色に染まるころ、 私は少しだけ、世界が優しくなった気がしていた。
ショッピングモールの大きなツリー。 赤と金のオーナメントがきらきら光って、 スピーカーから流れるクリスマスソングが、 やけに胸の奥まで入りこんでくる。
櫻坂 麗香
夜咲 春樹
夜咲 春樹
櫻坂 麗香
夜咲 春樹
夜咲 春樹
櫻坂 麗香
キミのその『特に予定がない』その答えに、”その答えだけで”、 私の心は勝手に期待してしまった。イルミネーションの光が、 君の横顔を照らすたびに、 “もしかして”が増えていく。
夜咲 春樹
今ので、今年のクリスマスは、 きっと特別になるって。 ──そのときの私は、 この季節が、 こんなにも切ない思い出になるなんて 知らなかった。
夜咲 春樹
夜咲 春樹
夜咲 春樹
夜咲 春樹
櫻坂 麗香
彼は、いつも通り穏やかな声で言った。 その一言が、頭の中で何度も反響する。 ——心臓が、なんだか痛い、苦しい
櫻坂 麗香
櫻坂 麗香
思わず出た言葉は、あまりにも平坦で、全然本心じゃなかった。
夜咲 春樹
夜咲 春樹
夜咲 春樹
夜咲 春樹
櫻坂 麗香
櫻坂 麗香
夜咲 春樹
櫻坂 麗香
だって、だって 行ってほしくない 本当は言いたい ——行かないでって ——好きだって “一緒にいてほしいって”
夜咲 春樹
櫻坂 麗香
夜咲 春樹
櫻坂 麗香
櫻坂 麗香
櫻坂 麗香
櫻坂 麗香
でも、言えない。 言ったら、今の関係が壊れそうで怖くて。
櫻坂 麗香
夜咲 春樹
夜咲 春樹
夜咲 春樹
夜咲 春樹
櫻坂 麗香
夜咲 春樹
櫻坂 麗香
夜咲 春樹
夜咲 春樹
櫻坂 麗香
夜咲 春樹
櫻坂 麗香
櫻坂 麗香
夜咲 春樹
こんな生活が毎日続かない、その絶望感はとてつもなく大きかった
放課後、屋上で一緒に教科書を広げたり
櫻坂 麗香
夜咲 春樹
夜咲 春樹
夜咲 春樹
夜咲 春樹
櫻坂 麗香
夜咲 春樹
櫻坂 麗香
ふざけて椅子を押し合しあったり
夜咲 春樹
櫻坂 麗香
櫻坂 麗香
櫻坂 麗香
夜咲 春樹
櫻坂 麗香
櫻坂 麗香
夜咲 春樹
夜咲 春樹
櫻坂 麗香
私がつまらないことで笑いすぎて息が上がる やはりこの生活が終わる、その絶望感は大きい 日常は平和で、でもどこかで秒針が
早く進むような焦りがあった。
ある日の放課後、春樹がノートに何かを書いていたのを見つけた。
櫻坂 麗香
櫻坂 麗香
夜咲 春樹
夜咲 春樹
櫻坂 麗香
櫻坂 麗香
少し照れながら見せてくれたページには、理解不可能の単語が書かれていた
櫻坂 麗香
櫻坂 麗香
夜咲 春樹
夜咲 春樹
櫻坂 麗香
夜咲 春樹
櫻坂 麗香
櫻坂 麗香
夜咲 春樹
夜咲 春樹
櫻坂 麗香
夜咲 春樹
夜咲 春樹
夜咲 春樹
胸がぎゅっと締め付けられる。 どうしていいか分からない
櫻坂 麗香
櫻坂 麗香
櫻坂 麗香
櫻坂 麗香
櫻坂 麗香
毎晩、帰り道に考える。 ——今、「好き」って言ったら、何か変わるの? でも言えない自分が、もどかしくて仕方なかった そして、出発の日が少しずつ近づく。 街路樹の葉がだんだんと、緑になり始め、教室の窓から見える景色も、最後の冬の光をまとっていた。 ——もうすぐ、彼はいなくなる。 ——でも、まだここにいる。 このどうしようもない時間の長さと短さの間で、胸がひりひり痛んでいた。
空港は、想像よりも明るく、にぎやかで、どこか夢みたいだった。
櫻坂 麗香
櫻坂 麗香
夜咲 春樹
夜咲 春樹
夜咲 春樹
櫻坂 麗香
人の波に流されながら、キミと並んで歩く。 会話は、どうでもいい話ばかり、でも心地良い でもこの心地良さも、今日終わってしまう
夜咲 春樹
櫻坂 麗香
夜咲 春樹
夜咲 春樹
櫻坂 麗香
夜咲 春樹
無意味な会話に必死に感情を隠す。 時間だけが容赦なく過ぎる。
夜咲 春樹
夜咲 春樹
櫻坂 麗香
夜咲 春樹
櫻坂 麗香
夜咲 春樹
キミの声で世界が止まったように感じる。 ——今しかない ——言わなきゃ でも、言葉は出ない。 喉の奥に引っかかって、胸が苦しいだけ。
櫻坂 麗香
櫻坂 麗香
それがやっと出た一言。 キミは少し驚いた顔をして、そして優しく笑った
夜咲 春樹
夜咲 春樹
櫻坂 麗香
背中が人混みに吸い込まれる。 涙は出なかった。 ただ、胸の奥にぽっかり穴が空いた。 ——ああ、やっぱり私、好きだったんだ。 気づくのが遅すぎた。
櫻坂 麗香
櫻坂 麗香
気づいたら、 スマホの写真フォルダに、 まだ消せてないものがあった。 クリスマスのイルミネーション。 ぶれてるツリー。 それと、 ちゃんと写ってない君の横顔。 あの夜、 寒いって言いながら並んで歩いたこと。 特別じゃない会話なのに、 なぜか全部覚えてること。 「もう終わった季節なのに」 そう思いながら、 画面を閉じる指が、 少しだけ震えた。 あのとき期待した分だけ、 今の距離が、 やけに痛かった。
季節が一つ、また一つ変わって、 私はキミのいない日常に慣れていった。 でも、ふとした瞬間に思い出す。 空港の明るさ、言えなかった言葉。 ——あれは恋だった。 ちゃんと、失恋だった。 ある雨の日、駅のホームで電車を待っていると、 胸の奥がギュッと痛むような記憶がよみがえった。
櫻坂 麗香
小さな声でつぶやく。誰にも届かない声。 でも、口に出した瞬間、少しだけ気持ちが整理される。 それから、空を見上げる。 キミが今どこで何をしているか、想像するだけ。 でも、それ以上求めない。 求めても、戻ってこないことはわかっているから。
胸の奥にぽっかり空いた穴は、完全には埋まらない。 でも、その痛みは、私がちゃんと愛した証拠でもある。 ——さよなら。 でも、忘れない。 私は歩き出す。 彼のことを抱えながらも、自分の未来に向かって。 物語はここで終わる。 誰も悪くない、でも、誰も変えられなかった。
それが、私の切なくて美しい思い出